2021年 新潟県経済の見通し

あけましておめでとうございます。新潟経済社会リサーチセンターの近由夏です。

本年もブログをとおして、新潟県の経済や産業に関する情報を発信していきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

さて、新たな年を迎えましたが、2021年の新潟県経済はどのように推移するでしょうか。

私どもでは毎年10月下旬から11月中旬にかけて、新潟県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の皆様にご協力をいただき、新年の経済見通しについてうかがっており、今回は42団体の方々からご回答をいただきました。ご協力いただいた皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。今日はその調査結果の一部をご紹介いたします。

 

2016年 新潟経済

2021年の新潟県内景気の見通し─厳しかった前年から持ち直す見通し─

新年(2021年)の県内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「やや好転」と予想する回答が17団体と最も多く、調査対象42団体の約4割を占めました
(図表1)。以下「変わらない」が13団体、「やや悪化」が9団体、「悪化」が2団体、「好転」が1団体と続いています。

新型ウイルスの影響から国内外経済が急激に減速するなか、2020年の県内景気は極めて厳しい1年となりました。2021年は新型ウイルスの影響が続くものの、経済活動の正常化やワクチン実用化に向けた動きへの期待から、前年に比べて徐々に持ち直していくとの見方が多いようです。

2021年 新潟県経済の見通し

新型ウイルスの影響─95.2%の団体が『マイナスと判断』─

調査時点(2020年10月)における新型ウイルスの影響について尋ねたところ、「マイナスの影響がある」とした回答が30団体、「ややマイナスの影響がある」が10団体となり、この両者を合計した『マイナスと判断』している団体の割合は全体の95.2%を占めました(図表2)。

『マイナスと判断』した団体(40団体)に具体的な影響を尋ねたところ(複数回答)、「国内からの受注減少」が31団体と最も多く、以下「イベント・展示会等の中止・延期」(28団体)、「商談等の中止・延期」(27団体)、「従業員や顧客の感染防止対策によるコスト増加」(26団体)などが続きました。

新型ウイルスの影響

また、新型ウイルスに関して2021年に予想される影響を尋ねたところ、「マイナスの影響がある」とした回答が23団体、「ややマイナスの影響がある」が19団体となりました。この両者を合計した『マイナスと予想』したのは、調査対象42団体全てとなりました。2020年10月時点における影響と比べると「マイナスの影響がある」が7団体減少した一方、「ややマイナスの影響がある」が9団体増加しており、悪影響は緩和するものの今後も続くとの見方が多くなっています。

2021年の業況見通し─ ─「やや好転」が約4割と最も多い─

2021年の業況見通しを尋ねると、「やや好転」と回答した団体が17団体と最も多くなり、全体の約4割を占めました。以下「やや悪化」が12団体、「変わらない」が11団体、「悪化」が2団体と続いています。

各団体からは「業況が新型ウイルスの影響をうける前の水準に戻るのは数年を要するとみられるものの、感染状況の収束が予想されることから、年後半にかけて改善していくことを願っている」との業況回復を期待する声が複数あげられました。一方、「企業の設備投資需要や個人消費の低迷が続くとみられ、需要が上向くとは考え難い」など慎重な声も聞かれました。なお、足元では「政府や自治体の支援策により回復傾向にある」ことから、引き続き政策支援に期待する声もありました。

各業界・各商工会議所等における2021年の重要課題─ 新型ウイルスの影響から「新型ウイルスの感染予防、衛生管理の徹底」のほか、「デジタル化・オンライン化推進」も課題─

2021年に取り組むべき重要課題について尋ねてみると、業界団体では「新型ウイルスの感染予防、衛生管理の徹底」とする意見が最も多くなりました(図表5)。感染防止のため、2020年はイベントや各種事業の多くが中止・延期となったこともあり、「感染対策を徹底し2021年は開催したい」との声が寄せられました。また、足元では人手不足の緩和がみられるものの、長期的な視点から「人材の確保・育成」のほか、新型ウイルスの影響の長期化を見据え「オンラインを活用した営業強化」「マーケット・販路の拡大、取引先の開拓」といった課題を挙げる団体が多かったです。

一方、商工会議所・連合商工会からは、新型ウイルスの影響に伴う会員企業の経営悪化を踏まえ、「新規開拓、需要喚起、販路拡大」「事業継続」や新型ウイルスとの共存を図るべく「ウィズ/アフターコロナに向けた取り組み」が多く挙げられました。また、政府の方針により加速している「デジタル化・オンライン化推進」も重要な課題とされています。

2021年 新潟県経済の課題

まとめ

新潟県内の主な業界団体や商工会議所等によると、2021年の県内景気及び業況については「やや好転」するとの見通しが最も多くなりました。新型ウイルスの影響から経済活動が大きく停滞したことを背景に、厳しい1年となった2020年と比べ改善するとの期待が示されています。

ただし、2021年に予想される新型ウイルスの影響についてすべての団体が『マイナスと予想』するなど影響の長期化による業況の先行き不透明感を懸念する見方も多くなっています。

そのようななか、新型ウイルスの影響をうけながらも「オンラインを活用した営業活動の強化」や「新たなビジネスモデルの構築」といった新しい試みに着手する動きも始まっており、「ウィズ/アフターコロナ」を見据えた取り組みの広がりが期待される1年になるとみられます。

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2021年1月号」をご覧ください。