2021年6月の新潟県経済

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

弊社では毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標をもとに、県内の景気動向を簡潔にまとめています。

本日は以下のとおり、2021年6月の基調判断をご紹介します。

 

新潟県 景気 経済 見通し

基調判断

一部に弱さがみられるものの、持ち直しつつある

~ 新型ウイルス感染症 (COVID-19) の影響による下振れ懸念は続くものの、製造業を中心に持ち直しつつある ~

概況

生産活動は持ち直している。個人消費は持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられ、雇用状況は持ち直しの兆しがみられる。設備投資は下げ止まっている。一方、公共投資は減少している。総じてみると、県内経済は一部に弱さがみられるものの、持ち直しつつある。

生産活動~持ち直している~

4月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比1.1%上昇して98.8となった。出荷指数は同3.0%上昇して102.5となった。在庫指数は同1.1%低下して90.0となった。

汎用・生産用・業務用機械や化学は海外からの受注が増加しており、回復しつつある。金属製品は巣ごもり需要から作業工具や調理器具などが好調であり、堅調に推移している。食料品は量販店などでまとめ買いの動きが落ち着くなか、業務用の落ち込みが続いており前年を下回っている。一方、輸送機械は需要が堅調となっているものの、半導体不足の影響などから生産調整の動きがみられる。

 

設備投資~下げ止まっている~

製造業では、既存機械・設備の更新や省力化・合理化を目的とした投資を中心に、投資が増加している。 非製造業では、運輸やサービス他で前年の大型投資の反動がみられるほか、業況の厳しさから投資に対する慎重姿勢が続いており、投資額は前年を下回っている。

非製造業では、運輸やサービス他で前年の大型投資の反動がみられるほか、業況の厳しさから投資に対する慎重姿勢が続いており、投資額は前年を下回っている。

5月の非居住用建築物着工床面積は前年比68.1%増となり、3カ月ぶりに前年を上回った。

 

雇用状況~ 持ち直しの兆しがみられる ~

5月の有効求人倍率(パートタイム含む全数・季節調整済)は前月比0.04ポイント上昇し、1.30倍となった。

5月の新規求人数(同・実数)は前年比13.0%増となった。製造業や医療・福祉などの増加により、3カ月連続で前年を上回った。

 

個人消費~ 持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられる ~

5月の小売業販売額 ¹ は百貨店・スーパーなどの増加から、前年比1.9%増となった 。一方、外食や旅行などのサービス消費は弱い動きが続いている。

6月の乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は前年比0.5%減となった。半導体の不足などから納車に遅れが生じており、4カ月ぶりに前年を下回った。

¹ 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

 

住宅投資~弱含んでいる~

5月の新設住宅着工戸数は前年比22.7%減となった。分譲などの減少により、3カ月連続で前年を下回った。

 

公共投資~減少している~

5月の公共工事請負金額は前年比21.8%増となった。国や県などの発注が増加し、8カ月ぶりに前年を上回ったものの、3-5月期では前年比12.2%減となり、基調としては減少している。

 

最後に

新潟県経済は引き続き、持ち直しつつある状況であると言えます。生産活動の持ち直しが続いており、先行き不透明感から前年大きく落ち込んでいた設備投資は製造業を中心に下げ止まっています。

また、「県民向け宿泊割引キャンペーン」 や「Go To イート」のプレミアム付き食事券など、観光関連や飲食店の需要喚起策が 6月末から順次開始されています。これまで厳しい業況が続いていたサービス業の方々からは「キャンペーンを利用した予約が増加している」といった声も多く聞かれており、政策の効果が表れているようです。

ただし、感染者数が増加に転じたことを背景に、再び県独自の「警報」が発令されたほか、東京では4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、全国的に感染が拡大しています。また、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなか、人流の増加が懸念されることから、感染状況をさらに注意してみていく必要があると感じます。