2021年5月の新潟県経済

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

弊社では毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標をもとに、県内の景気動向を簡潔にまとめています。

本日は以下のとおり、2021年5月の基調判断をご紹介します。

 

新潟県 景気 経済 見通し

基調判断

一部に弱さがみられるものの、持ち直しつつある

~ 新型ウイルス感染症 (COVID-19) の影響による下振れ懸念は続くものの、製造業を中心に持ち直しつつある ~

概況

生産活動は持ち直している。個人消費は持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられ、雇用状況は持ち直しの兆しがみられる。設備投資は下げ止まりつつある。一方、公共投資は減少している。総じてみると、県内経済は一部に弱さがみられるものの、持ち直しつつある。

生産活動~持ち直している~

3月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比2.7%上昇して97.4となった。出荷指数は同2.6%上昇して99.2となった。在庫指数は同2.4%低下して91.0となった。

汎用・生産用・業務用機械は海外の堅調な需要を背景に、回復しつつある。金属製品は飲食店向けなどの洋食器が低調であるものの、作業工具などで巣ごもり需要から主にホームセンター向けが好調であり、全体としては堅調に推移している。食料品はスーパーなど量販店向けは高水準を維持している一方、業務用や観光用の商品は落ち込んでおり、横ばいで推移している。一方、輸送機械は中国を中心に海外向けの生産が増加傾向にあるものの、半導体不足の影響もあり一部に生産調整の動きがみられる。

設備投資~下げ止まりつつある~

製造業では、受注の回復を背景に金属製品や精密機械などで工場の新設や生産能力増強のための投資が増加している。非製造業では、運輸やサービス他などで前年の大型投資の反動が出ており、投資額は前年を下回っている。

4月の非居住用建築物着工床面積は前年比 0.3%減となり、2カ月連続で前年を下回った。

雇用状況~持ち直しの兆しがみられる~

4月の有効求人倍率(パートタイム含む全数・季節調整済)は前月比0.03ポイント上昇し、1.26倍となった。

4月の新規求人数(同・実数)は前年比7.9%増となった。サービス業や建設業などの増加により、2カ月連続で前年を上回った。

個人消費~ 持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられる ~

4月の小売業販売額 ¹ は百貨店・スーパーなどの増加から、前年比5.3%増となった。一方、外食や旅行などのサービス消費は弱い動きが続いている 。

5月の乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は前年比43.5%増となり、3カ月連続で前年を上回った。新型ウイルスの影響で前年に落ち込んだ反動から大幅な増加となった。

¹ 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

住宅投資~弱含んでいる~

4月の新設住宅着工戸数は前年比6.4%減となった。貸家などの減少により2カ月連続で前年を下回った。

公共投資~減少している~

4月の公共工事請負金額は前年比34.4%減となった。市町村などの発注が減少し、7カ月連続で前年を下回った。

最後に

新潟県経済は製造業が牽引する形で持ち直しつつあります。新型ウイルスの影響によって、生産活動は大きく落ち込んでいましたが、海外経済の回復を背景に、外需が戻ってきており持ち直しています。そんななか、冷え込んでいた設備投資の動きは下げ止まつつあること、また、稼働状況の回復などにより雇用状況に持ち直しの兆しがみられることから、設備投資と雇用状況の基調判断を先月から引き上げています。

一方で、外出自粛の傾向が続いているため、サービス業などは弱い動きとなっています。ただし、県内でも大規模接種が開始されるなど、ワクチンの接種が進んでいます。ワクチン接種の進捗度合いや感染状況によって、県内経済の動向が大きく変化することが考えられるため、注視していく必要があります。