2020年の新潟県経済を占う

あけましておめでとうございます。新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

本年もブログをとおして、新潟県の経済や産業に関する情報を発信していきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

さて、新たな年を迎えましたが、2020年の新潟県経済はどのように推移するでしょうか。

私どもでは毎年10月下旬から11月中旬にかけて、新潟県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の皆様にご協力をいただき、新年の経済見通しについてうかがっており、今年は42団体の方々からご回答をいただきました。ご協力いただいた皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。今日はその調査結果の一部をご紹介いたします。

 

2020年 新潟経済

 

2020年の国内景気見通し─厳しい景気見通しが広がる─

新年(2020年)の国内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「やや悪化」と予想する回答が22団体と最も多くなりました。また、「悪化」が3団体あり、調査対象42団体(業界団体32団体、商工会議所・連合商工会10団体)のうち約6割に当たる25団体が厳しい見通しを示しています。

また、前回調査(2019年見通し)と比較すると、「やや好転」「変わらない」が減少する一方、「やや悪化」「悪化」が増加しています。

 

2020年の国内景気見通し

 

2020年の県内景気見通し─国内景気と比べ、より厳しい見通し─

新年(2020年)の県内景気の見通しについては、前年と比べて「やや悪化」と予想する回答が26団体と最も多くなりました。「やや悪化」に「悪化」と回答した3団体を合わせると29団体となり、全体の約7割を占めています。

前回調査(2019年見通し)と比較すると、「やや好転」「変わらない」と予想する回答が減少する一方、「やや悪化」「悪化」が増加しています。

県内景気の先行きについては、国内景気と比べて、 より厳しい見通しをする団体が多くなっています。

2020年の県内景気見通し

2020年の業況見通し─ 業況見通しは「やや悪化」「悪化」が約7割を占める─

2020年の業況見通しを尋ねると、「やや悪化」と回答した団体が29団体と最も多く、「悪化」と回答した2団体を合わせると31団体となりました。約7割の団体が厳しい見通しを示しています。また、前回調査と比べると「やや悪化」「悪化」の回答が増加した一方、「やや好転」「変わらない」との回答は減少しました。

業況見通しについては、「IoTや2020年春にサービスの開始が予定されている5G(第5世代移動通信システム)関連の需要に期待感がある」「キャッシュレス・ポイント還元事業などによる消費の下支えが期待できる」といった前向きな声が一部にある一方、「米中貿易摩擦、中国経済の減速などによる世界経済の後退が懸念される」「県の行財政改革により投資総額が抑制される懸念がある」「人手不足や働き方改革への対応による人件費が上昇しており厳しい状況となっている」「消費増税による消費マインド低下の影響が懸念される」「台風19号の影響で予約のキャンセルが多く発生し、旅行マインドが低下している」などといった厳しい声が多くみうけられました。

各業界・各商工会議所等における2020年の重要課題─ 業界団体では「働き方改革への対応」がトップ─

2020年に取り組むべき重要課題について尋ねてみると、業界団体では、2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されていることもあり、「働き方改革への対応」が最も多くなりました。

商工会議所・連合商工会からは、「人材確保・育成」「人手不足への対応」「働き方改革への対応」「AI・IoTの活用による生産性向上」といった課題が多く寄せられました。

また、業界団体、商工会議所等とも景気悪化に対応するための「受注の確保や販路拡大」が上位項目になっています。

2020年の主な重要課題

まとめ

県内の主な業界団体や商工会議所等によると、2020年の県内景気は前回調査に比べて、「やや好転」「変わらない」と予想する回答が減少する一方、「やや悪化」「悪化」が増加するなど、前年より厳しい見通しとなっています。

背景には、米中貿易摩擦などによる海外経済の減速、消費増税後の消費マインドの低下、近年発生している異常気象による自然災害の影響、県の財政問題(新潟県行財政改革行動計画)などが懸念されていることがあります。

一方、IoTや2020年春にサービスの開始が予定されている5G関連の需要やキャッシュレス・ポイント還元事業などによる消費の下支えなどへの期待が示されています。

こうしたなか、景気悪化を見据えた「受注の確保や販路拡大」、人手不足を背景とした「人材確保・育成」「働き方改革への対応」「AI・IoTの活用による生産性向上」への各団体の取り組みが期待される1年になると思われます。

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2020年1月号」をご覧ください。