困難の山を超える

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。

今月の「センター月報5月号」では、経済活動が停滞している中、希望を見出し、意欲が高まるような著名人のエピソードについてご寄稿いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

困難の山を超える

雨が降れば傘をさす

『雨が降れば傘をさす』…これは松下幸之助氏の言葉です。

商売人は良い商品を提供する、サービスをする、店をきれいにする、代金を回収する、変化に対応して当たり前のことを当たり前にやる。これが商売の秘訣ということ。
 
(中略)
 
経済環境が悪化していますが、売り上げや集客に影響が出ている方もいらっしゃるでしょう。このような時期にビジネスマン、商売人としてどんな心構えで対応すればいいのでしょうか?
 
以前、私は50年以上前の新聞を目にしたことがあります。そこには次のような見出しが書かれていたことを記憶しています。
 
【激動の時代】
【かつてないほど変化のスピードが速い現代】
【経済環境は最悪な時期に突入】
 
私たちがどんな時代に生きていてもその時代は「激動の時代」であり「変化のスピードが速い」時代であり、常に「経済環境は循環」しているということです。古今東西、どこのどの時代も同じ。この時代に生きている私たちだけが特別なわけではありません。
 
商売とは変化に対応することが本質。
 
売れないときには休む。次の手を考える。3カ月先の準備をする。半年先の種まきをする。勉強時間に充てる、こともできます。
 
松下幸之助氏も昭和4年の不況期には売り上げが半減し、倉庫が在庫でいっぱいになり製品の置き場もなくなるという危機に見舞われ、その後何度も経営の苦境を脱していますが、仕事や人生というのは平坦ではありえず山あり谷ありが常なのかもしれません。
 
(中略)
 
ひょろっとした細身の彼は小学校に9カ月間しか通えませんでした。9歳で母が死亡、19歳で姉が死亡。さらに26歳で婚約者が死亡。その後、彼は雑貨店を経営しましたが失敗しました。借金の返済に17年間もの時間がかかりました。彼は農場主としても失敗しました。
 
一念発起して政治家の道を志しますが、7回も選挙で落選。恋人も失いました。さらには40歳のときに長男、53歳のときには三男が死亡。
 
(中略)やっと議員になりました。議長にもなりました。しかし、その職を辞めました。その彼とは第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンです。
 
そのことはできる、それをやる、と決断せよ。それからその方法をみつけるのだ」 (エイブラハム・リンカーン)  


酒井とし夫(2020)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第50回」『センター月報』2020年5月号

感想

経済活動が停滞していることから、気持ちが沈みやすい時期です。しかし、こうした時だからこそ、酒井先生がおっしゃるとおり、先を見据えた次の一手を考え、準備・種まきが大切なのかもしれません。