地方創生時代にやってくる研修

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

地域活性化を目指し、首都圏から専門家などを招いて研修会を開催をしたり、活性化に向けた提言を述べてもらう機会が以前よりも多くなりました。

今回、私どもの機関誌「センター月報9月号」では、首都圏から専門家などを招いて、地域活性化を進める際の注意点をまとめています。執筆は毎月、連載をお願いしている井門観光研究所の井門隆夫先生です。

 

都市・地域混在型ワークショップ

 

今後増える?首都圏の専門家などを招いて開催するワークショップの活用ポイント

井門先生によると、地方創生の取り組みが本格化すると、首都圏から様々な人材が地方を訪れるようになるみたいです。

 

地方創生の取り組みのなかで、今後「地方創生コンシェルジュ」などの支援人材が登録され、多くの都市人材やコンサルタントが地域に入ってくる。

(中略)

 

しかし、その過程や結論の中には「地域にとってはいい迷惑」と思われるものも少なくないだろうと今から危惧している。都市人材は地域に住むわけでもなく、表面的なことをちょっと視察しただけで、勝手なことを言って帰る。そういうケースがこれまでも少なくなかったためである。

こうしたケースがあった際、肝に銘じておきたい点がある。第一に、議論の場は「地域主導」であること。決して都市主導にしないこと。都市からの参加者は「モニター」という役割にしておくことだ。

第二に、行政が行司役で音頭を取るのはよいが、あくまで「民間中心」で「事業構想」を目指すものとすることである。

そして、第三に「予定調和としない」ことだ。特に役所のカネを使う場合、その効果検証を行うため、どうしても予定調和的な妥協の産物のような結論を導きだし、その結論はそのままお蔵入りすることも多い。そうではなく、現実を直視し、失敗は失敗と認める勇気も必要である。

(中略)

筆者も現在こうした研修を各地で実践している。その際、痛感するのが、やはり「観察・交流」の頻度と深さだ。2~3回(4~6日)の訪問では、お互い心も十分に開かず、表面的なもので終わってしまう。それが、4~5回と重ねるごとに「盲点」に気づくようになってくる。

「実はこの町にはすごい人がいる」「この地の産品にはすごいパワーがある」「見える星の数がハンパない」そうしたことに気づきさえすれば、都市生活者の感じる魅力(秘密の窓)とつなげるのみだ。

(中略)

短期間で済まそうと思わず、時間をかけた取り組みを行っていただきたい。

井門隆夫(2015)「地域観光事業のススメ方第66回」『センター月報』2015年9月号

 

読み終えて

私どもでは、業務の一環として、観光地の名物料理を開発するお手伝いもしています。その場合、都内で飲食店を営む齋藤章雄先生にご協力いただく時が多いです。

実は齋藤先生も以前、井門先生と同じようなことをおっしゃっていました。

「料理というのは単にレシピや作り方を教えるだけでは表面的なものにとどまってしまいます。

地元の調理師の方々と話し合いの時間を十分に持ち、信頼関係を築くことが大切です。

お互いに腹を割って話せるような関係になって初めて、その土地ならではの料理が生まれます」

といった趣旨のお話でした。

やはり、どんなに著名な専門家にお越しいただいても、十分に時間をかけて話し合うことがポイントのようですね。