特に所定外労働時間(残業)を削減できた企業が取り組んでいることとは~働き方改革に関するアンケート調査より~

 

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

本日は、以前に実施した「働き方改革に関するアンケート調査」の結果を見直すことで、残業を削減できた企業の特徴がより一層、把握できたので、その点をお伝えしたいと思います。

 

 

残業が『どちらかというと削減された』企業で多く取り組んでいる項目とは?

以前に、このブログでご紹介した「働き方改革に関するアンケート調査」の投稿で、残業を削減できている企業と削減できていない企業の差に関してお伝えしました。

その内容を以下にご紹介すると、残業に取り組んでいる企業にその結果を尋ね、残業が「削減された」と「やや削減された」と回答した企業を『どちらかというと削減された』企業とし、「削減されていない」と「あまり削減されていない」と回答した企業を『どちらかというと削減されていない』企業としてそれぞれ集計し、取組項目を比較しました(図1)。

そして、『どちらかというと削減されている』企業と、『どちらかというと削減されていない』企業との間で取組割合の差を比べてみると、「経営トップからの継続的な呼びかけ」が14.4ポイント差と最も多く、以下「業務の見直し・効率化」(8.0ポイント差)、「放送等による早期退社の呼びかけ」(7.1ポイント差)などとなりました。

 

図1

 

先日、この結果を見た方から、残業が『どちらかというと削減された』企業について、さらに残業が「削減された」企業と、「やや削減された」企業を分けて比較してみて欲しいという声をいただきました。そこで、今回は残業が「削減された」企業の取組割合と、「やや削減された」企業の取組割合の差を比べることで、より一層、残業を削減できた企業の特徴を明らかにしてみました。

 

残業が「削減された」と回答した企業が、多く取り組んでいる項目とは?

残業が「削減された」企業と「やや削減された」企業の取組割合の差を比較して、「削減された」企業が「やや削減された」企業を上回った取組項目をみると、「社員の多能化」が最も多く11.2ポイントありました。以下、「所定外労働の事前届出制の導入」(7.5ポイント差)、「経営トップからの継続的な呼びかけ」(6.0ポイント差)などとなりました(図2)

 

図2

 

まずはムダを排除し、その後に効果の高い多能化などを進める

以上の結果からどのようなことが考えられるのでしょうか。

私はこれから残業を削減する企業には、図1で示した『どちらかとういうと削減された』企業が取り組んでいる割合が高い「経営トップからの継続的な呼びかけ」や「放送等による早期退社の呼びかけ」「業務の見直し・効率化」などに、優先的に取り組むことが良いと感じました。つまり、「経営トップからの継続的な呼びかけ」や「放送等による早期退社の呼びかけ」で社員の意識改革を促し、「業務の見直し・効率化」で仕事や組織のムダを排除することを、まずは目指します。

その上で一定程度の効果が出たら、図2で示した残業が「削減された」企業と「やや削減された」企業との間で取り組みに差が出た「社員の多能化」や「所定外労働の事前届出制」に着手してみるのが良いと思いました。なぜならば、アンケート調査結果にもあるとおり、「社員の多能化」は残業を削減する上で非常に効果の高いものですが、これらの取り組みは、ハードルが高くやりたいと思っていても、時間や労力が必要な項目だからです。だからこそ、図1で示したとおり、社員の意識改革を促し仕事や組織のムダを排除した後に、長期間にわたってじっくりと取り組んでみると、より一層の残業削減につながると感じました。