働き方改革が成功すると、労働力人口の減少を緩和できるのか?

 

働き方改革についてシリーズでお伝えしている新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

先回は「3分でわかる!なぜ今、働き方改革なのか?~人口減少の影響に対応するために~」でした。

本日は働き方改革の第2回目「働き方改革が成功すると、労働力人口の減少を緩和できるのか?」をお伝えしたいと思います。

 

働き方改革 新潟

 

労働力人口の減少幅が縮小

政府の方針に沿って働き方改革を推進し、女性や高齢者を中心に今よりも働く人の割合(以下、労働参加率)が上昇すると、どのような効果が望めるのでしょうか?

総務省「労働力調査」によると、労働力人口は2014年に6,587万人となっており、今後、少子高齢化の進展により減少することが予測されています。なお、労働力人口とは、15歳以上で労働する能力と意思をもつ人の合計を指します。

厚生労働省「雇用政策研究報告」によると、何も策を講じずに「経済成長と労働参加が適切に進まないケース」(注1)では30年には5,800万人になると予測されています(図表1)。14年比787万人減少する見込みです。

一方、働き方改革などの施策が順調に実施され「経済成長と労働参加が適切に進むケース」(注2)では30年には6,362万人になると予測されており、14年比225万人の減少にとどまるとみられています。

(注1)経済成長と労働参加が適切に進むケース:「日本再興戦略」を踏まえた高成長が実現し、活労働市場への参加が進むケース

(注2)経済成長と労働参加が適切に進まないケース:復興需要を見込んで2020年まで一定程度の経済成長を想定するが、2021年以降は経済成長がゼロ、かつ労働市場への参加がすすまないケース(2014年性・年齢階級別の労働力率固定)

 

図表1 労働力人口と労働力率の見通し

 

育児中の女性と男性高齢者の労働参加率の向上が一番の鍵

「経済成長と労働参加が適切に進むケース」では、図表2のとおり、特に60歳~74歳の男性高齢者層と、育児中の方が多い女性の30歳~44歳の年齢層の労働参加率が特に上昇すると予測されています。

 

図表2.労働参加率の実績値と経済成長と労働参加が適切に進むケースでの2030年の予測値

 

まとめ

人口減少・少子高齢化の構造的な問題を抱える日本にあって、時間などに制約があるものの働く意欲のある人たち全員が働ける環境を整えることは国全体にとっても、企業にとっても重要な課題となってきています。政府は今後、上記の数値を実現するために具体的な施策を出していくことでしょう。企業はその動きに対応して誰もが働きやすい労働環境を実現することが求められます。

また、人手不足が深刻化するなか、働き方改革を進めることは、経営上、より重要な戦略になっていくのではないでしょうか。