3分でわかる!なぜ今、働き方改革なのか?~人口減少の影響に対応するために~

 

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

最近は新聞やテレビなどのメディアで、働き方改革が盛んに取り上げられています。

これは安倍政権が働き方改革を成長戦略の要として推進していることに加え、企業側でも人手不足の解消や労働生産性の向上を図るため、労働環境の整備に注目している企業が多いからだと考えられます。また、働き手である社員にとっても、働きやすくなることは歓迎されるところでしょう。特に育児や介護を行なっている人にとっては、注目されている方も多いのではないでしょうか。

このように働き方改革は多くの人にとって関係があるテーマです。そこで、今後、数回に分けて働き方改革についてお伝えしていきたいと思います。

第1回目である本日は「なぜ働き方改革なのか?~人口減少に対応するために~」をお伝えしたいと思います。

 

働き方改革

 

人口減少社会

日本の人口は減少傾向にあります。

総務省「国勢調査」によると2015年の総人口は1億2,709万4,745人となり、ピークだった2010年と比べると約43万人減少しています(図表1)。少子化の影響で死亡数が出生数を上回る状況が続いています。今後も国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると人口減少は続くものとみられています。

また年齢別でみると、65歳以上の人口は増加傾向にある一方で、0~14歳、15~64歳は減少傾向にあります。特に働き手である15~64歳の人口減少は、経済や企業経営に与える影響が大きいものとなっています。

 

図表1.人口の推移と予測

 

人手不足の深刻化

次に日本の雇用状況をみると、需給は非常に逼迫した状況となっています。足元の完全失業率(季節調整値、2017年4月)は2.8%まで低下し、有効求人倍率(季節調整値、2017年4月)は1.48倍となり、バブル期である1990年7月につけた1.46倍を越える値となりました(図表2)。

 

図表2.有効求人倍率(季節調整値)の推移

 

また、日銀短観2017年3月調査では、全産業の雇用人員判断DI(過剰-不足)が▲25となり、バブル崩壊直後の1992年以来のマイナス幅となっています(図表3)。

 

図表3.雇用人員判断DIの推移

 

人手不足となっている要因としては、戦後3番目の長さとなっている足元の景気回復により、企業活動が活発化して求人が増加していることに加え、人口減少により求職者が減少していることもその一因とみられます。

その結果、人手不足により営業に支障を来たす企業も出てきています。外食チェーンの24時間営業の取り止めや、宅配業者のサービス縮小などが相次いています。

 

政府の進める働き方改革とは

こうした状況に対応するため、政府は育児などで働けていない女性や高齢者にも就業参加してもらうことで人手不足の解消を図ろうとしています。ただし、現在のフルタイム勤務を前提とした就業形態が主流のままでは、育児や介護などで時間に制約のある人や高齢者の方が働きづらい環境です。

そこで、政府は労働者それぞれの事情に合わせて柔軟な働き方ができるようにするために、2017年3月28日に「働き方改革実行計画」をまとめ、下記の9つの検討テーマを公表しました(図表4)。

長時間労働の削減を通じて遅くまで残業する必要性をなくし、女性が働きやすい環境を創出するほか、テレワークの導入を推進し育児や介護をしながら自宅で仕事ができる環境を整備していく見込みです。また、高齢者の就労推進の環境整備を行なっていく方針です。

 

図表4.働き方改革実行計画における9つのテーマ

 

この9つのテーマにおいて日本における働き方の課題を解決することで、誰もが生きがいを持って、その能力を最大限発揮できる社会を実現する計画です。今後、具体的な施策が打ち出されていくとみられます。

ただし、これらを実現するためには、政府だけでなく、それらの政策に沿って実際に働きやすい環境を整備する企業の取り組みが必要となります。

そのため、今後、政府がどのような具体的な施策を打ち出すのかを注視していくほか、企業がどのように働き方改革を進めていけば良いのかなどをお伝えしていきたいと思います。