働き方改革に関するアンケート調査 ~残業を削減できた企業と削減できなかった企業の差とは~

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

政府は今年3月、「働き方改革実行計画」を取りまとめ、長時間労働の是正などの9つの検討テーマを示しました。今後、関連法の改正などが進められるものとみられ、企業によっては長時間労働の是正などを求められることになる可能性がでてきています。一方、人材不足が続くなか、優秀な人材の確保・定着のために働き方改革に注目している企業は多いです。

 

 

こうしたなか、当センターでは新潟県内企業の働き方改革に関するアンケートを実施し、その取組状況や課題について調査を実施しました。その結果は当センター発刊「センター月報9月号」に掲載しております。そのなかから、今回は県内企業の「所定外労働時間の削減」への取組状況をお伝えしたいと思います。

 

 

(1)所定外労働時間の削減に向けた取組状況
-「取り組んでいる」が7割-

県内企業1,000社に所定外労働時間(以下、残業)の削減に向けた取組状況を尋ねたところ、「取り組んでいる」と回答した割合が70.8%と最も高く、以下「取り組んでいない」(23.0%)、「所定外労働は行なっていない」(6.3%)の順となりました(図表1)。

規模別にみると、大企業では100%、中堅企業でも93.6%の企業が残業の削減に取り組んでいるとの結果となっています。

 

図表1 所定外労働時間への削減に向けた取組状況(全体・規模別)

 

(2)削減状況
-『どちらかというと削減された』先は72.6%-

(1)で残業の削減に取り組んでいると回答した企業に、その結果を尋ねたところ、「削減された」「やや削減された」を合わせた『どちらかというと削減された』と回答した企業の割合は72.6%となりました(図表2)。一方、「あまり削減されていない」「削減されていない」を合わせた『どちらかというと削減されていない』と回答した企業の割合は27.5%でした。なお、規模別では大きな差はありませんでした。

 

図表2 削減状況(全体)

 

(3)取組内容
-「実態(実際の労働時間等)の把握」がトップ-

①全体

(1)で残業の削減について「取り組んでいる」と回答した企業に、その取組内容について尋ねたところ(複数回答)、「実態(実際の労働時間等)の把握」と回答した企業の割合が65.7%となり、最も高くなりました(図表3)。以下「業務の見直し・効率化」(62.7%)、「経営トップからの継続的な呼びかけ」(42.2%)などの順でした。

 

図表3 取組内容(全体・削減状況別、複数回答)


②削減状況別

残業の削減に向けた取組内容を残業の削減状況別にみると、『どちらかというと削減された』先では、「経営トップからの継続的な呼びかけ」「業務の見直し・効率化」「業務の分散・平準化」などの割合が、『どちらかというと削減されていない』先に比べて高くなりました(図表3)。

なお、アンケート票の自由回答欄には、「ITの活用により残業時間を正確に把握したうえで残業が多い社員に対し、個別に指導を行なった。その結果、残業を大幅に削減することができた」(総合建設)、「半年先の業務量を予測し、繁忙が予想されるときは、あらかじめ協力会社に依頼をすることで、業務量を分散させている」(精密機械)などといった声が寄せられました。

 

まとめ

今回の調査によると、残業の削減に向けた「取組内容」では、削減状況によって違いがみられました。『どちらかというと削減された』先では「経営トップからの継続的な呼びかけ」を行なっている割合が『どちらかというと削減されていない』先に比べて高く、社員の意識変革を経営トップ自らが取り組んでいることがうかがわれました。また、『どちらかというと削減された』先では「業務の見直し・効率化」「業務の分散・平準化」など行なっている割合も高く、意識改革のほかにも仕事の進め方などで、工夫や改善の取り組みを行なっているとみられる結果となりました。

他の「働き方改革に関するアンケート調査」の結果は、当センター発刊「センター月報9月号」に掲載しております。ぜひご覧になってみてください。