伝える言葉と伝わる言葉

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもでは、お客様のご依頼に応じて講演会やセミナーの講師をお引き受けする時があります。その際、講師として何らかの知識や情報を提供し、受講者にとって有意義な時間となるように一生懸命にお話させていただきます。講師の狙いどおりに上手く受講者に伝わる場合もあれば、良くも悪くも、講師の意図とは異なって受講者に伝わるケースや別の受け取り方をされる時もあります。実はそこに講師として学べる要素が隠れており、自分が成長できる好機と捉えています。したがって、受講後のアンケート結果や受講者との会話は自分の話し方を振り返る、とても良い場面となります。

こうした中、先日、受講者の感想に触れる機会があり、「なるほど~」「そう解釈されたとは素晴らしい」と実感したことがありましたので、ご紹介したいと思います。

 

セミナー・講演会場

 

伝えたかった意図と、受け取った意味

今月中旬に公益社団法人糸魚川法人会様のご依頼で「人口減少・少子高齢化をどのように経営に反映させるか」というタイトルで講演させていただきました。

その際、当センター機関誌「センター月報」に毎月、ご寄稿いただいている酒井とし夫先生が偶然、聴講されており、以下のような感想をブログ等に投稿していただきました。

 

江口先生は講演の中で
【茶目っ気】
という言葉で表現されていましたが
事例で紹介されていた
経営者や店長の茶目っ気ぶりが
伝わってきました。

と、ともに我が身を振り返り
「最近、オレ茶目っ気少なくね・・・チュー
と感じた私。

つい、つい、
仕事を楽しむ、という気持ちを
忘れていた自分に
ハッとしました。

(中略)

これからの次代の経営戦略、
マーケティングの方向性を
教えて頂いたことは
もちろんのこと
そもそも経営や商売を
あなたは
どんな気持ちで始めたのか?

・・・ということにも
大いに気付かされた
講演会でありました。

酒井とし夫のブログ(2018年10月17日)
商売人やビジネスマンは茶目っ気も大事!『商売繁盛心理学』
https://ameblo.jp/admarketing/entry-12412315338.html気持ちを新たにする

かなりお気遣いをいただいた文章だとは思うのですが、実は講演の中で私は「茶目っ気」という言葉を一度しか使わなかったと思います。それが聴講者にとっては、最も心に引っかかた言葉となった訳です。

しかも、話し手としては「仕事を楽しむ姿勢も時には大切です」という意図だったものが、「そもそも経営や商売をあなたはどんな気持ちで始めたのか?・・・ということにも大いに気付かされた」となると、もはや講師の力量や狙いとは別であり、受講者の日頃の問題意識や考え方によるものです。改めて、自分が発した言葉が相手にどう伝わるのか、そして、どう解釈されるのかまでを意識することが大切なのだと気づく機会となりました。

併せて、講演やセミナーがより良いものとなるためには、講師の力量による点が大きいものの、それだけではなく、受講者の問題意識や参加姿勢なども関係しているだと実感できました。

 

感想

今回のような感想に触れることで、言葉の一つひとつの選び方から話し方のトーンまで、細心の注意を払って講義をする必要があるのだと再認識することができました。酒井先生、どうもありがとうございました。

まずは、今回と同じようなテーマの講義をする際には、酒井先生の感想・ご意見を取り入れて「茶目っ気」という言葉を使う回数・場面・意図から見直したいと思っています。