2018年度の賃上げ動向は?

 

新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

労働時間の短縮や賃金などさまざまな労働条件の改善を交渉する「春季労使交渉(春闘)」が3月末までの妥結を目指し本格化しています。今回は、関心が高い賃上げの動向について、企業の賃金引上げに関するアンケート調査結果の一部をご紹介したいと思います。

 

 

約7割の企業が「賃金を引上げる予定である」と回答

衆議院調査局経済産業調査室が、昨年11月、全国の2万3,212社を対象に実施した「最近の企業動向等に関する実態調査」(有効回答企業数1万105社:回答率43.5%)によると、全体の74.4%の企業が今後賃金を引上げる予定である回答しています。なお「賃金を引上げる予定である」の割合は、2015年度調査以降3年連続で上昇しており、企業の賃金引上げに向けた動きが続いている状況がうかがえます。

 

 

「ベースアップ」の実施は2割

賃金引上げの具体的な内容をみると「定期昇給を実施する」が56.3%と最も高く、次いで「賞与・一時金の新設・増額を行う」(26.0%)、「ベースアップを行う」(21.5%)などとなっています。定期昇給の実施が約6割となっているのに対して、ベースアップの実施は約2割となっており、基本給の水準が一律に上がるベースアップに対してはやや慎重な姿勢がみられます。

 

 

賃上げの理由は「従業員の待遇改善のため」がトップ

また賃上げの理由では「従業員の待遇改善のため」が73.4%と最も高く、以下「人材確保のため」(58.9%)、「自社の業績向上分を従業員に還元するため」(37.2%)と続いています。一方、「同業他社の賃金動向に合わせるため」は8.9%と1割未満にとどまっており、他社の動向が賃上げに及ぼす影響は小さいようです。

 

 

県内企業の賃上げ動向は?

それでは県内企業の賃上げ動向はどうでしょうか。当センターが昨年11月に実施した「2017年下期 新潟県企業動向調査」における賃上げの状況をみると、ベースアップの実施予定では「未定」と回答した企業の割合が高いものの、ベースアップを「実施する」と「実施を検討中」を合わせた割合は38.3%と約4割となっています。また、定期昇給を「実施する」と「実施を検討中」を合わせた割合は68.8%となっています。

 

 

賃金の引上げ率は「1.0%以上1.5%未満」が約4割

続いて賃金の引上げ率をみると、「1.0%以上1.5%未満」の割合が35.7%となり最も高く、以下「1.5%以上2.0%未満」(25.2%)、「1.0%未満」(16.2%)などとなっています。

 

 

まとめ

総務省「労働力調査」によると、2017年平均(速報)の就業者数は6,530万人と前年と比べ65万人増加したほか、2017年平均の完全失業率も2.8%と低水準で推移するなど、好調な企業業績を背景に雇用環境は改善しています。そうしたなか、今年の春闘において賃上げがどのように実現するのか、その動向が注目されます。