新潟県内の新卒者の離職率は?

 

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

人材・人手不足が叫ばれる現在、私は人材採用に関する調査を進めており、冬前にはレポートをまとめる予定です。そこで本日は、その調査を進めているなかで、新潟県内における新卒者の離職率について興味深いデータがありましたので、ご紹介したいと思います。

 

新潟 就職活動

 

入社3年目までの離職率は3割前後で推移

新潟県労働局「新規学卒者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)」の「新規学卒者就職者の就職後3年以内離職率の推移」をみると、新潟県の新卒者の入社3年目までの離職率は、概ね3割前後で推移しています(図1)。この数値は全国とほぼ変わらない水準となっています。

なお、入社年数別にその動きをみると、1年目に最も多く辞め、2年目、3年目にかけて徐々に低下していく傾向がみられます。

図1.新規学卒者就職者の就職後3年以内離職率の推移

(資料)新潟県労働局「新規学卒者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)」(2017年10月)

 

事業所規模4人以下では5割超が卒業後3年以内に離職

同資料の「平成26年3月卒業者の離職率(卒業後3年以内、事業所規模別)」をみると、従業員「4人以下」の企業の離職率が53.2%と最も高くなっており、以下「5~29人」が43.8%、「30~99人」が35.4%などと続いています(図2)。

なお、「4人以下」では「1000人以上」よりも24.1ポイント高い数値となっています。一方で、100人超の規模では、「100~499人」で28.4%、「500~999人」で26.5%、「1000人以上」で29.1%と、離職率に大きな差がありません。

 

図2.平成26年3月卒業者の離職率(卒業後3年以内、事業所規模別)

(資料)新潟県労働局「新規学卒者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)」(2017年10月)

 

離職理由は企業側からみたものと従業員側からみたのもでは大きな差も

そこで、全国のデータで少し古いものになりますが、労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成」(2007年6月)に、離職理由のアンケート結果がありましたのでご紹介します。

このなかで、「離職理由の企業と社員との比較」をみると、中途採用者 (正社員・35歳未満)に対して前職の離職理由を尋ねたところ、「仕事のストレス」が39.3%と最も高く、以下「給与に不満」が35.4%、「労働時間や休日・休暇に不満」が34.7%などと続いています(図3) 。

一方、企業に過去3年間で会社を退職した35歳未満正社員(35歳未満)の退職理由を尋ねたところ、「家族の事情」が40.8%と最も高く、以下「給与に不満」が28.9%、「職場の人間関係がうまくいかない」が26.9%などと続いています。

従業員調査と企業調査の結果を比べると、最も差が大きいのは「家族の事情」で37.9ポイントも開きがあります。

図3.離職理由の企業と社員との比較(複数回答)

(資料)労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成」(2007年6月)

 

まとめ

最初にご紹介したデータをみると、従業員規模が小さい企業では新卒者の離職率が高い状況となっています。次にご紹介したアンケートをみると、従業員が答えた離職理由と企業側が認識している退職理由とではズレがみられます。企業が離職率を引き下げていくためには、こうしたズレがあることを前提にして労働環境を整えていくことも大事なのではないでしょうか。

では、具体的にはどうすれば改善すれば良いのかというところは、今後、センター月報に掲載するレポートでお伝えできればと思います。