次世代農業の注目技術 ‐TPPに負けない農業に向けて‐

次世代農業展

次世代農業の3つの注目技術

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの高田です。

先日、千葉市の幕張メッセで開催された「国際次世代農業EXPO」(10月14日~16日)を見学してきました。主催は、長岡市出身の石積氏が社長を務めるリードエグジビションジャパンです。

「国際次世代農業EXPO」は、「国際農業資材EXPO」「6次産業化EXPO」など関連したいくつかの展示会と同時開催されていましたが、農業に関する総合展示会としては国内最大規模とされます。中でも「国際道工具・作業用品EXPO」では県央地域の企業が存在感を示していました。

TPPが大筋合意され、今後、日本の農業は一層の競争力強化が求められます。そこで今回は、私が「国際次世代農業EXPO」の中で注目した①環境制御、②農業用ロボット、③再生可能エネルギーの活用という3つの技術について紹介します。

 

1.環境制御

最近、小売業や外食産業が、8~9月の天候不良による野菜の品薄と価格高騰を受け、海外から野菜を緊急輸入したことがニュースとなりました。しかし、栽培ハウスや植物工場といった施設において、人工的に制御された環境下で農産物を生産すれば、天候不良に弱い露地栽培を補完することができます。

環境制御では、より低コスト・短期間で農産物を栽培できるシステムや、任意の日数で農産物を栽培できるようなシステムの研究がなされています。あるいは、環境制御によって農産物の食味を変えたり、農産物に機能性を持たせたりすることも可能となります。

 

2.農業用ロボット

ロボットとは自律的に作業を行える機械・装置全般を指しています。必ずしも人型をしている訳ではなく、ドローンのような飛行物体も含みます。

これまで、農業分野でのIT活用は、農地や農産物の観察・監視が中心でしたが、GPSによる位置情報の活用や、カメラ等による視覚センサ技術が発達したこともあり、播種や収穫といった複雑な農作業を行えるロボットの開発が進んでいます。

 

3.再生可能エネルギー

2014年5月に施行された「農山漁村再生可能エネルギー法」により、荒廃農地を発電事業に利用することが可能となりました。ただし、手続きが煩雑であるなど、農山漁村に再生可能エネルギーを導入するハードルは高いままです。

特に太陽光パネルを設置する場合は、荒廃農地などの農業ができない場所に設置することが一般的でしたが、最近は農業を行いながら発電できる技術の研究が進んでいます。

例えば、東京理科大学の開発した「シースルー有機薄膜太陽電池」(写真:野菜の奥に見える茶透明のシート)です。太陽光に含まれる緑色光を使って発電し、農作物の生育に必要な赤色光と青色光は透過するため、栽培ハウスの外壁としての活用が期待されます。ただし、太陽電池の変換効率向上などの課題も残っています。

発電装置

他にも注目技術が続々と

本日紹介した3つの技術以外にも、地表にあたる光を反射させて植物にあてるシートや水の浸透性を高めることで農産物の収穫量を増やす装置など、「国際次世代農業EXPO」では様々な注目技術が展示されていました。

費用対効果をよく精査する必要はありますが、こうした技術が農業の収益性の改善や担い手不足の解消に役立つことを期待します。