寿司(弁当・外食)の消費金額 地域別ランキング第1位は…

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

突然ですが、「あなたの好物を教えて下さい」と尋ねられたら、どんな食べ物をあげますか?

博報堂生活総合研究所「生活定点」調査によると、「好きな料理ベスト3は何ですか?」との質問に対して、「寿司」をあげた人の回答割合が41.2%となり、第1位でした。以下「焼肉」(28.5%)、「ラーメン」(22.9%)、「カレーライス」(17.4%)などが続いています(調査地域:首都40km圏と阪神30km圏の地域を対象<調査対象:20歳~69歳の男女、サンプル数:3,160人)。寿司は1996年、2006年の調査でもトップとなっており、根強い人気が示されています。

そこで、本日は人気料理メニューである「寿司」に関する統計データをご紹介します。

 

寿司 消費量

 

好きな料理

 

寿司の歴史

まずは、寿司の歴史から簡単におさえておきましょう。

フリー百科事典「ウィキペディア」によると、以下のように説明されています。

 

日本の寿司

1千年以上の歴史があり、すでに奈良時代に存在が知られる。平安時代の『延喜式』(927年)「主計寮式」には諸国からの貢納品が記されており、鮓・鮨の語を多く見出だすことができる。九州北部、四国北部、近畿、中部地区に多く、関東以北には見られないのが特徴的。魚(または肉)を塩と飯で漬け込み熟成させる「なれずし」であると考えられている

(中略)

握り寿司(江戸前寿司)の誕生

(中略)

守貞謾稿』によれば、握り寿司が誕生すると、たちまち江戸っ子にもてはやされて市中にあふれ、江戸のみならず文政の末には関西にも「江戸鮓」を売る店ができた。天保の末年(1844年)には稲荷寿司を売り歩く「振り売り」も現れたという。この頃には巻き寿司もすでに定着しており、江戸も末期、維新の足音も聞こえてこようかという時代になって、ようやく現代でもポピュラーな寿司が出揃った。

 

「寿司」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。

2018年4月19日 (木) 08:14  UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

以上の説明によれば、寿司そのものについては歴史ある料理のようですが、握り寿司や巻き寿司などは特別に歴史が古いというわけではなさそうです。

 

すし(弁当)の消費金額

続いて、総務省「家計調査」をもとに、寿司の消費量の動向をみていきましょう。なお、「家計調査」の見方については、こちらの投稿をご参照下さい。

総務省「家計調査」では、「すし(弁当)」と「すし(外食)」に分けられて集計されているで、まずは「すし(弁当)」の消費動向から確認してみます。「すし(弁当)」とは、「飲食店以外の持ち帰りのもの。冷凍は除く」とされ、 にぎりずし、まきずし、いなりずし、ちらしずし、折詰ずしなどが含まれており、どちらかといえば自宅で消費されるケースが多いものです。

 

年間支出金額の推移

まずは、「すし(弁当)」に対する1世帯当たりの年間支出金額の推移をみていきましょう。下のグラフをみると、長期的には概ね横ばいで推移しています。ただし、2012年を底に近年は4年連続で上昇しています。

 

すし弁当・年間支出金額

 

月別の支出金額

また、同様に2016年の支出金額を月別にみると、2月の支出金額が最も多くなっています。恐らく、節分の日に食べる「恵方巻」への支出によるものだと思われます¹。また、2月以外では12月、8月、5月などが多くなっており、冬休み・夏休み・ゴールデンウィークなどの休日が多く、親戚・友人同士で集まる機会の多い時期での支出金額が大きくなっています。

 

すし弁当・月ごとの支出金額

 

年代別の支出金額

さらに、2016年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、「60~69歳」「70歳~」など年代が高い層で支出金額が大きくなっているのが特徴的です。この年代で弁当全体への支出金額が多額というわけではないので親族などを自宅に招き、すし(弁当)を振る舞う機会の多いことが原因の一つかもしれません。

 

すし弁当・年代別の支出金額

 

すし(外食)の消費動向

年間支出金額の推移

すし(外食)の消費動向も確認してみましょう。まずは、年間支出金額の推移からです。

すし(外食)の年間支出金額は長らく微減で推移していましたが、2011年を底に緩やかな増加傾向に転じています。

 

すし外食・年間出金額

 

月別の支出金額

2016年の支出金額を月別にみると、8月の支出金額が最も多くなっています。以下、1月、5月、12月の順となっています。やはり、冬休み・夏休み・ゴールデンウィークなどの休日が多い月、そして親戚・友人同士で集まる機会の多い月で支出金額が大きくなっています。

 

すし外食・月別支出金額

 

年代別の支出金額

さらに、2016年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、「60~69歳」での支出金額が大きくなっています。お孫さんたちと一緒に食事に行き、ご馳走しているからかもれません。

 

すし外食・年代別支出金額

 

地域別の消費ランキング

最後に、「すし(弁当)」と「すし(外食)」に対する1世帯あたりの年間支出金額(2014年~2016年平均)を参考までに都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別²にみてみましょう。

すると、下のグラフのようになります。

 

すし 外食 弁当 消費額 都道府県別

 

「すし(弁当)」(横軸)については、奈良市と京都市で特に高くなっています。いずれも歴史のある地域というのが興味深いです。

一方、「すし(外食)」(縦軸)については、宇都宮市、金沢市、岐阜市などで高くなっています。宇都宮市はぎょうざが有名なだけに意外でした。海に面していない地域ではありますが、有名な回転寿司チェーンの本社もあるくらいですから、やはりお寿司好きの地域なのでしょう。

さらに、「すし(弁当)」と「すし(外食)」の合計でみると、金沢市の支出金額が最も大きく、以下、静岡市、甲府市などが続いています。また、京都市や前橋市などでは「すし(弁当)」の支出額が高いものの、「すし(外食)」は高くないのに対して、宇都宮市、岐阜市では「すし(外食)」の支出額が高いものの、「すし(弁当)」は高くない傾向がうかがわれます。なお、那覇市、長崎市、山口市など比較的温暖な地域では「すし(弁当)」「すし(外食)」とも支出金額が低くなっています。

なお、私たちが住む新潟市は、「すし(弁当)」「すし(外食)」とも全国第25位と中位の支出金額となっています。

 

感想

予想以上に地域の差が感じられる結果となりました。

自宅で食べるのか、外食するのか、といった行動特性の違いがあるほか、寿司には酢や魚介類を使用するため、長い歴史の中で育まれた食文化が反映されやすい面があるのかもしれません。

 

 

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¹

総務省「恵方巻への支出」<http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/27_2.pdf> (http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/27_2.pdf) <2018年4月23日アクセス>

²

都道府県庁所在市(政令指定都市含む)の結果はサンプル数が少ないため、参考として記載しました。必ずしも実態を反映しているとは限りませんので、ご注意下さい。