新潟県における事業承継の現状と好事例その1~「自分の代で廃業を考えている」は0.2%とわずかな割合に~

 

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

近年、会社の経営を後継者に引き継ぐ、いわゆる事業承継のタイミングを迎える企業が増えています。中小企業庁「事業承継ガイドライン」によると、中小企業の経営者の年齢は1995年頃、47歳前後が最も多かったものが、2015年には66歳前後が最も多くなってきています。また同ガイドラインによると、中小企業の経営者の引退年齢は67~70歳程度であるため、今後5年程度で多くの中小企業において、事業承継のタイミングを迎えることが想定されています。

こうしたなか、当センターでは新潟県内企業の事業承継に関するアンケートを実施し、その現状や課題について調査を実施しました。その結果は当センター発刊「センター月報6月号」に掲載しておりますが、紙面の関係で掲載できなかったデータを中心に、当ブログでもその内容を数回にわたりお伝えしていきたいと思います。

 

 

県内企業の事業承継の予定

県内企業に事業承継の予定について尋ねたところ、「事業承継は当面予定していない」と回答した企業の割合が43.1%と最も高く、以下「事業承継を予定しており、後継者も決まっている(以下『後継者決定』)」 (35.3%)、「事業承継を予定しているが、後継者が決まっていない(以下『後継者未決定』)」(21.4%)などの順となっています(図表参照)。

 

 

このうち『後継者決定』と『後継者未決定』を合わせた『事業承継を予定している』企業の割合は56.7%となっています。一方、「自分の代で廃業を考えている」は0.2%とわずかな割合にとどまっています。

 

経営者が70歳以上の企業でも、26.1%は後継者が決まっていない

事業承継の予定を経営者の年代別にみると、年代が上がるにつれて『後継者決定』の回答割合が上昇しています。一方で、『後継者未決定』の回答割合も年代が上がるにつれて上昇しています。経営者が70歳以上の企業でも、26.1%が後継者は決まっていない状況ということがわかりました。

 

まとめ

県内の他の事業承継に関する調査をみると、小規模企業を中心に一定数が廃業を検討しているとの調査結果がみられます。しかし、当センターの調査では「自分の代で廃業を考えている」の回答割合は0.2%にとどまっています。本アンケート調査の回答企業は、中小企業でも従業員数が一定以上の企業が多いことから、廃業する割合が低い結果につながったと思われます。

一方、経営者の年齢が70歳以上の企業でも、『後継者未決定』の回答割合は26.1%となりました。事業承継にあたっては相応の期間が必要となることから、早めの対応が望まれます。

 

次回は、「事業譲渡に関する関心」について、お伝えしたいと思います。

なお、他の「事業承継に関するアンケート調査」の結果は、当センター発刊「センター月報6月号」に掲載しております。ぜひご覧になってみてください。