スマートフォンの普及スピードは速いのか?

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、情報通信機器の保有割合をご紹介した際、スマートフォンの普及が急速に進んでいることをお伝えいたしました。すると、「スマートフォンの普及スピードは他の情報通信機器に比べてどの程度、速いのか?」といった質問を受けました。そこで、スマートフォンの普及スピードについて、調べてみましたので、今日はその結果をご紹介いたします。

 

スマートフォン 普及率 スピード

 

スマートフォンの定義

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会「スマートフォンにおけるセキュリティの課題と背景」(2011年)によると、スマートフォンの定義には統一されたものがないとした上で、同協会の「通信機器中期需要予測」をもとに以下のような定義が紹介されています。

 

携帯電話・PHSに携帯情報端末(PDA)を融合させた端末で、音声通話機能・ウェブ閲覧機能を有し、仕様が公開されたOSを搭載し、利用者が自由にアプリケーションソフトを追加して機能拡張やカスタマイズが可能な製品。

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会「スマートフォンにおけるセキュリティの課題と背景」総務省「電気通信サービス利用者WG(第5回会合)」資料2
http://www.soumu.go.jp/main_content/000101732.pdf

 

スマートフォンには様々な技術が使用されており、従来型の携帯電話や携帯情報端末(PDA)をはじめ、様々な情報機器がある中で、定義を統一し、厳密に区分けするのは難しいことなのかもしれません。

 

日本での発売時期

定義が統一されていないこともあり、日本で最初に発売されたスマートフォンをどの機種とするのかについては、定まっていないようです。例えば、2004年とする考え方や、2005年あるいは2008年とする考え方などがみうけられました。

 

3G(第三世代携帯電話)の普及にともなって、日本国外で生まれたカテゴリーであるスマートフォンを日本語化して発売することが可能になり、2004年にはボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル)からノキア「Vodafone 702NK」が、2005年にはNTTドコモからモトローラ「FOMA M1000」が発売された。また同じく2005年に、シャープとウィルコムがWindows Mobile 5.0 for PocketPCを搭載した日本独自開発の「W-ZERO3」シリーズを出すなどの動きがあり、このころ日本でも本格的なスマートフォンが普及するきざしが出始めた。

 

「スマートフォン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。

2016年9月2日 (金) 03:22 09:08 UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

 

2007年からは携帯情報端末(PDA)が更に進化し、パソコンとの差異がほぼなくなったスマートフォンが普及している。先んじて1999年以降には一定の処理機能を備えたPDAに移動体端末の機能を複合させた延長的な製品は散発的に発売されいくつか存在していた[6]が、2007年に発売されたiPhoneをきっかけにスマートフォンに注目が集まった(日本では2008年発売のiPhone 3Gが初)が、当初はマニアや一部ビジネスマンを中心とする需要にとどまった。

「携帯電話」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。

最終更新 2016年9月8日 (木) 15:36  UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

日本での普及状況

先日、ご紹介した通り、日本ではスマートフォンの世帯普及率(世帯全体における各情報通信機器の保有割合)が2010年で9.7%となった以降、11年で29.3%、12年で49.5%、13年で62.6%、14年で64.2%、15年で72.0%と高まっています。

 

情報機器の保有状況

 

それでは、他の情報通信機器と比べた際の普及スピードについて確認したいと思います。正直なところ、比較する統計がなかなか見当たらなかったのですが、郵政省「平成11年版通信白書」内に「我が国における主な情報通信メディアの世帯普及率10%達成までの所要期間」が記載されていましたので、この統計と比較したいと思います。

あくまでも世帯普及率10%までの所要期間にすぎませんが、下の表をみると、固定「電話」が76年、いわゆるポケベルに該当する「無線呼出し」が24年、「ファクシミリ」が19年、「携帯・自動車電話」が15年、「パソコン」が13年、「インターネット」が5年となっています。

 

情報通信メディアの世帯普及率10%達成までの所要期間

 

一方、スマートフォンの世帯普及率は2010年に9.7%と約10%となっています。日本でのスマートフォンの発売時期を2004年とすれば所要期間は6年、2008年とすれば2年となります。

「インターネット」が5年で世帯普及率が10%に達していることを勘案すると、2004年にスマートフォンが発売されたと仮定した場合、6年で約10%に到達しており、インターネットとほぼ同様の普及スピードと言えるのかもしれません。一方、2008年にスマートフォンが発売されたと仮定すると、わずか2年で約10%に達しており、極めて速い普及スピードと言えるのかもしれません。

いずれにしても、相応の普及スピードであることは間違いないようです。

 

感想

スマートフォンの普及スピードとは関係ありませんが、今回、調べていて一番驚いたのが、いわゆる固定電話が世帯普及率10%に要した期間です。まさか79年だったとは思いませんでした。

インターネットやスマートフォンの普及スピードの比較すると、時代の変化はドンドン速くなっているのかもしれません。