ソーシャルメディアを活用する企業は、利益率が高く、売上高も増加傾向?―アンケート結果から読み解く―


新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。 近年、LINE・YouTube・Twitter・Instagram・FacebookなどのSNSにブログなどを加えた、いわゆるソーシャルメディアを活用する企業が増えています。そこで今回は、ソーシャルメディアの活用が、企業業績に与える影響について、アンケート結果からみていきたいと思います。

 

SNS

企業におけるソーシャルメディアの活用割合は上昇傾向

全国の企業(従業者規模100人以上)を対象に調査を実施した総務省「通信利用動向調査」をみると、ソーシャルメディアを活用していると回答した企業の割合は上昇傾向にあり、2018年(9月調査)には36.7%となっています(図表1)。

また、個人における利用割合も上昇しています。総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」をもとに、全国における個人のソーシャルメディアの利用状況をみると、2017年(11月調査)では「LINE」の利用割合が75.8%と最も高く、次いで「YouTube」が72.2%となっており、ともに7割を超えています。このほか、「Facebook」(31.9%)、「Twitter」(31.1%)、「Instagram」(25.1%)などが続いており、各サービスの利用割合は年々上昇しています。

図表1 ソーシャルメディアの利用状況(全国)

(資料)総務省「通信利用動向調査」をもとに、当センターにて作成

営業利益率が高い企業ほど、ソーシャルメディアを活用している割合が高い?

先ほどの企業を対象にした調査において、ソーシャルメディアを活用している企業の割合を、回答企業の売上高営業利益率別で確認してみると、売上高営業利益率が高い企業ほど、ソーシャルメディアの活用割合も上昇しています(図表2)。営業利益率が「20%以上」の企業のうち、46.6%がソーシャルメディアを「活用している」と回答しています。

図表2 ソーシャルメディアの活用状況(売上高営業利益率別)

(資料)総務省「通信利用動向調査」をもとに、当センターにて作成
注1:インターネットの利用企業に占める割合 注2:無回答を除く

更新回数と売上高の関係

また、小規模事業者が対象のアンケートになりますが、中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」(2016年1月、㈱日本アプライドリサーチ研究所)で、「ブログ、SNS」の更新回数と売上高の関係性を確認してみます。

この調査で、調査対象全体に直近3年間の売上高の傾向を尋ねたところ、「増加」と回答した事業者の割合が27.5%、「横ばい」が44.3%、「減少」が28.1%となりました(図表3)。

このうち、「ブログ、SNS」を宣伝面で活用している先の売上高の傾向をみると、「増加」が38.3%となっており、調査対象全体の割合よりも10.8ポイント高くなっています。また、売上高の傾向を「ブログ、SNS」の更新回数別でみると、「毎日」更新している事業者において、「増加」と回答した割合が47.9%と特に高くなっています。

図表3 小規模企業における「ブログ、SNS」の更新頻度と売上高の傾向

(資料)中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」
(2016年1月、㈱日本アプライドリサーチ研究所)をもとに当センターにて作成

まとめ

上記アンケート結果をみると、SNSなどのソーシャルメディアを活用している企業の業績は概ね好調のようです。

ただし、この結果だけでは、利益率や売上高が好調な企業は、情報発信に前向きな企業が多い傾向にあるだけなのかも知れませんし、経営に余力があるためソーシャルメディアに取り組んでいるという傾向なだけかも知れず、ソーシャルメディアの活用が業績にプラスの効果を生んでいるとは、必ずしも言えないデータかも知れません。

いずれにしても、インターネットやSNSが普及する以前までは、企業の情報発信はテレビや雑誌、新聞の折込チラシなどを活用するほか無く、ある程度の経費を必要としました。しかし、現在ではソーシャルメディアを活用すると、企業は無料あるいは比較的低コストで、情報発信することが可能となりました。

実際にソーシャルメディアを有効に活用して、業績を伸ばしている企業は県内でもお見受けします。今後、弊社の機関誌「センター月報」にて、ソーシャルメディアを活用して集客している事例等を紹介するレポートを掲載する予定です。掲載できましたら、こちらのブログでご紹介できればと思います。