企業におけるソーシャルメディア活用のポイント – SNSやブログを活用した効果的な情報発信とは –


新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

近年、スマートフォンの普及などもあり、ソーシャルメディアの利用者は増加しています。このため、ソーシャルメディアで活発に情報発信したり、顧客ニーズを把握したりして、事業にソーシャルメディアを有効活用する企業が増えています。

そこで、今回は事例などをふまえて、「企業におけるソーシャルメディア活用のポイント」というレポートをまとめましたので、本日はその概要をご紹介いたします。

 

SNS

 

 

ソーシャルメディアとは

総務省「平成27年版 情報通信白書」によると、ソーシャルメディアとは「インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディア」とされています。具体的には、登録された利用者同士が交流できるウェブサイトの会員制サービスであるソーシャルネットワーキングシステム(以下、SNS)に加え、動画や写真などの共有ウェブサイト、ブログなどがソーシャルメディアに含まれます。

個人の利用割合

① 全国

総務省「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2017年)をもとに、全国における個人のソーシャルメディアの利用割合をみると、「LINE」の利用割合が75.8%と最も高く、次いで「YouTube」が72.2%となっており、ともに7割を超えています(図表1)。以下「Facebook」(31.9%)、「Twitter」(31.1%)、「Instagram」(25.1%)などとなっています。

②県内

当センター「SNSの利用状況に関するアンケート調査」(2017年)をもとに、県内の個人におけるSNSの利用割合をみると、「LINE」が69.9%と最も高く、以下「Facebook」(27.2%)、「Twitter」(21.5%)、「Instagram」(20.9%)などとなっています(図表2)。調査対象や調査方法等が異なるため単純には比較できないものの、全国と比べると、各SNSの利用割合は全体的にやや下回っている状況とみられます。

企業の利用割合

① 全国

総務省「平成30年 通信利用動向調査」(2018年)をみると、全国における企業(従業者規模100人以上が対象)のソーシャルメディアの利用割合は36.7%となっており、上昇傾向をたどっています(図表3)。 業種別にみると、不動産業(58.7%)や金融・保険業(51.7%)などで利用割合が高くなっています。

② 県内

当センター「ソーシャルメディアを利用した情報発信に関するアンケート」(以下「情報発信に関するアンケート」)(2019年)をみると、県内における企業のソーシャルメディアの利用割合(「ソーシャルメディアを利用している」と回答した企業の割合)は30.4%となった一方、「ソーシャルメディアを利用していない」と回答した企業の割合は69.6%となっています(図表4)。

取組事例

当センター「情報発信に関するアンケート」をみると、ソーシャルメディアを利用していない企業が7割を占めるほか、利用していても明確な成果が得られていないと感じている企業も多いようです。 一方、ソーシャルメディアを利用している企業のなかには、「問い合わせ件数の増加」などの成果を実感している企業もみられます。そこで、県内でソーシャルメディアを先進的に活用している取組事例をレポートでは5つ紹介しています。ここでは簡単に概要をお伝えしたいと思います。

 亀田製菓株式会社(新潟市)

若年層の開拓が課題の1つであった同社では、SNSに投稿されていた同社商品へのコメントをヒントに、商品開発を行なったことで顧客層を広げることに成功しました。また、SNSを意識して写真栄えする商品の開発を行なったことなどもあり、多くの顧客が同社の商品に関する投稿をしています。

株式会社 ヨシカワ(弥彦村)

展示会における最新動向や、顧客の課題を解決した事例などをFacebookやブログなどで積極的に情報発信することで、主に製造業に従事しているユーザーを中心に登録者数や閲覧数を増やしています。投稿した記事などをみたユーザーからの引き合いもあり、活発に情報発信することで取り引きを広げています。

 マルニ西脇株式会社(妙高市)

自社企画商品「マルニジーンズ」を展開する同社では、全国各地の展示会に出展する際の集客アップのため、Facebookの活用に取り組み始めました。各地の展示会に定期的に出展するうちに、徐々にFacebookの登録者は増えていきました。企画商品を支持する顧客とFacebookページで直接つながり、開発にかける思いや、商品づくりの経緯などを定期的に情報発信した結果、企画商品の販売は徐々に伸び、現在では売上高の8割を占めるまでとなっています。

 へア&メイク ララチッタ(長岡市)

同店では情報発信の一環としてブログを運用しており、カットやカラーに関する情報のほかに、「パーソナルカラー診断」や「まつエク」(つけまつ毛)や「胎毛筆」(赤ちゃん筆)などに関するサービスの情報を数多く投稿しています。この結果、検索で上位に表示されるようになり、これらのサービスに興味のあるユーザーが、検索結果から同店のブログやホームページを閲覧した後、来店するようになっています。同店ではこのほか、LINEによる予約受付を積極的に行ない、受付事務の効率化などにつなげています。

アリエールグー(新潟市)

同店では、16年にカキ氷「新潟初雪」の取り扱いを開始しました。同商品は大盛りの氷に、色鮮やかなシロップが映える商品です。商品の見た目の良さに加え、同店の庭でも食べられるという開放的な雰囲気も手伝って、「新潟初雪」を食べた顧客のなかには、写真を撮ってSNSに投稿する人も多いです。こうした投稿を見て、「友人が食べていた新潟初雪を私も食べたい」というユーザーが店に多く訪れるようになりました。このように、ユーザーからの投稿で店舗を紹介してもらえるようになったほか、同店でも各種SNSで積極的に情報発信しており、売上高にSNSが大きく貢献しています。

活用のポイント

(1)解決したい課題や活用する目的に最適なSNSを選択する

(2)メリットを提供し登録者を増やす

(3)顧客の投稿で情報を拡散させる

(4)顧客とのコミュニケーション機能を活用する

おわりに

ソーシャルメディアは無料・低コストで情報発信できることや、顧客の声を活かした商品づくりなどを行なうことができるため、企業での活用が進んでいます。ソーシャルメディアをより一層効果的に活用する県内企業が増えることが期待されます。 本調査の詳細については、「センター月報10月号」に掲載している「企業におけるソーシャルメディア活用のポイント」をご覧ください。