日本スケートボーディング連盟の挑戦!新潟でオリンピック・レベルの選手育成と関連産業の発展を目指す

 

新潟経済社会リサーチセンターの佐藤です。今日は、2020年の東京オリンピックの競技種目となる可能性があるスケートボードの現状についてご紹介したいと思います。

 

日本海スケートパーク

▲日本海スケートパークでスケートボードを練習する子供達

 

選手育成と地元経済の活性化

2014年ソチ冬季オリンピックにおいて、本県出身の平野歩夢選手、小野塚彩菜選手、清水礼留飛選手が銀、銅メダルを獲得する大活躍をみせました。日本人メダリスト8人のうち3名が本県出身者であり、本県の冬季スポーツのレベルの高さが示されました。

地元にオリンピック選手がいることは町の誇りではありますが、世界トップレベルへの挑戦を続ける選手個人にとって、資金的な負担は軽くありません。

専属コーチを頼み、施設を使って練習し、さらには海外遠征を行うなどの費用を個人で賄うことは難しいためスポンサー企業の支援を受けながら、施設がある自治体で練習に励むのが一般的です。

つまり地元に練習施設をはじめとする選手支援の仕組みがないと、せっかくの有力選手が他の自治体へ移住してしまうのです。

一般社団法人日本スケートボーディング連盟(新潟県村上市)の佐藤巧代表理事(以下「日本スケートボーディング連盟」「佐藤代表」)は、せっかくの有力選手や有力選手の卵が他の自治体に引き抜かれてしまう状況に早くから疑問を抱いていられました。

中学・高校生などの若年アスリートにとって、家族と生活しながら練習に励むことができれば心身の負担は軽減されますが、そのためには地元に練習施設を整備することが必要となります。

平野選手の地元村上市では、佐藤代表や平野選手のお父さんを含む応援グループが行政と一体となって継続した支援活動を行ってきました。

平成15年には村上市が旧市民体育館の土地と建物を貸与し、応援グループが資金を出して、スケートボードができる屋内施設「日本海スケートパーク」が整備されました。屋内練習が可能でこれだけの規模を持つ施設は稀だそうです。

当時5歳の平野選手もこの施設で遊びながら腕を上げたとのことです。この施設は一般にも開放されており、施設を運営する「日本海スケートボード協会」が子供向けにスケートボード教室を開くなど、競技の普及にも一役買っています。

さらに平成26年にはこのパークに隣接する市有地に、平野選手に続く選手を地元から継続的に育成・輩出することを目的として、上級者向けの大型施設が建設されました。高さ15m、全長46mのジャンプ台のような施設で、上級選手が高度な空中技を練習することができます。総工費1,500万円は村上市ならびに前述の応援グループが負担しました。

平野選手は「従来は費用をかけて海外に練習に行かなければならなかった。村上市にこのような練習施設ができたのはすごく助かる」と述べられています。

村上市の担当者は、この施設を活用して次代を担う選手を育成する一方で、スケートボードクラブの合宿や競技イベントを誘致して地元経済の活性化も図りたいとしています。平野選手などの上級者が練習する傍らで難易度の高い技にチャレンジする小学生!もいるそうです。村上市から有力選手が続々と輩出される日はごく近いように思われます。

 

村上市のスノーボード練習施設

▲村上市に建設されたスノーボード練習施設

 

今後の取り組み

スケードボードは2020年の東京オリンピックの競技種目となる可能性もあります。日本スケートボーディング連盟では、新潟県において同競技のオリンピック選手を育成・輩出することを目指し、日々の練習を行う移動式スケートボード施設の建設を計画しています。

佐藤代表は、連盟の資金で不足する分は県内企業から寄付を募りたいとしており、また、それと同時に、スポンサー企業にどのような形でお返しができるかについても併せて検討しているそうです。

企業の経営環境が厳しさを増している折、スポンサー企業に報いるため、練習施設を活用して競技人口を拡大させ用具やウェアなどの関連業界との協業を図る、あるいはトップアスリートの練習公開や懇談会などを組み込んだツーリズムを企画するなど、いろいろな検討を行いたいとのことです。

ところで、トップレベルで研鑽を続ける若手アスリートには、コーチを始め、用具メンテナンス、遠征手配、資金管理、さらには学業維持など、大勢のスタッフによる多方面の支援が必要となります。2013年10月、佐藤代表は有志とともに「新潟冬季スポーツ支援システム(NWS)」を立ち上げ、これらの課題を総合的にマネジメントする仕組み作りに取り組み始めています

メンバーにはプロスキーヤーであり全日本スキー連盟指導員でもある三浦豪太氏も加わり、若手トップアスリート育成の仕組み作りについて助言をいただいているとのことです。

今般、日本スケートボーディング連盟がNWSの運営も担うこととなりました。今後連盟は、選手の総合管理、練習施設の整備運用、資金の募集など、幅広い活動を行う予定です。

佐藤代表によると、選手育成の仕組みは整いつつあるが、継続的なスポンサー企業をみつけ、そのスポンサー企業と協業する仕組みを作るのはこれからの課題とのことです。皆さんの企業におかれても、新潟における若手トップアスリートの育成・輩出という夢のある事業に一役買われてはいかがでしょうか。

 

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一般社団法人日本スケートボーディング連盟については、こちらのホームページをご覧下さい。

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『センター月報』2016年5月号の「潮流 県内最新トピックス 第2回」を加除修正いたしました。