明日は映画の日~レジャー白書からみる映画の特徴~

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日は、12月1日が「映画の日」となった由来と、供給側のデータについてご紹介しました。今日は需要側(利用者側)のデータをご紹介したいと思います。

 

新潟 映画の日 映画館

 

レジャー白書のご紹介

映画に関する需要側(利用者側)のデータについては、日本生産性本部「レジャー白書2016 ―少子化時代のキッズレジャー―」を活用させていただきます。

「レジャー白書」は1979年から毎年実施されている歴史のあるデータです。レジャーに関して様々なデータが幅広く掲載されているため、使い勝手が良く、面白い内容となっています。

 

①実施概要

2016年の調査については、以下のような実施概要となっています。

  • 調査対象は全国15~79歳の男女
  • サンプル数は有効回収数が3,375
  • 調査方法はインターネット調査(2009年から訪問留置法からインターネット調査に変更)
  • 調査時は2016年1月

 

②用語の定義

ご紹介するデータについては見慣れない用語が使用されていますので、その定義をお知らせいたします。

  • 「参加率」とは「ある余暇活動を、1年間に1回以上おこなった人(回答者)の割合」
  • 「参加人口」とは、「ある余暇活動を、1年間に1回以上おこなった人口(全国、推計値)」。参加率に、2016年1月現在の人口推計を掛け合わせて推計しています
  • 「年間平均活動回数」とは、ある余暇活動をおこなった人の1人当たり年間活動回数の平均

 

映画の参加率・参加人口

それでは、まずは「映画」の参加率・参加人口からみていきましょう。

2015年における「映画」の参加率は調査対象者全体の36.3%となっており、参加人口は3,660万人と推計されています。これを他の余暇活動と比べてみると、下の図表の通り「趣味・創作部門」では第1位。余暇活動全体でみても、「国内観光旅行」「外食」「ドライブ」「読書」に続いて第5位となっています。個人的には、予想以上に映画鑑賞をする人の数は多いとの印象です。

 

余暇活動への参加の実態 趣味

 

余暇活動の参加人口

 

なお、映画の参加率と年間平均活動回数を他の余暇活動と比べると、下の図と通り「音楽会、コンサートなど」「ビデオの鑑賞」と同じく、参加率は高いものの、比較的、年間平均活動回数は高くない(月2回以下)との特徴がうかがわれます。これは、興味・関心は高いものの、外出したりお金を支払ったりする必要があり、年間平均活動回数が限られるからだと思われます。

一方、「音楽鑑賞」や「園芸、庭いじり」は参加率が高く、年間平均活動回数も高くなっています。自宅で楽しめる趣味なので、気軽に参加しやすいことを反映したものと思われます。

 

参加率と年平均活動回数

 

性・年代別の参加率

次いで、「映画」の参加率を性・年代別に確認してみましょう。

下の図をみると分かりますが、「映画」の参加率は概ね年代が上がるに連れて下がっています。また、若年層では女性の方が男性に比べて高くなっていますが、シニア層では男性の方が女性よりも高くなり、逆転しています。

 

映画の性・年代別参加率

 

これを他の余暇活動と比べると、特徴が際立ちます。例えば、「スポーツ部門」では4番目の参加率となっている「ボウリング」をみると、「映画」と同じく、概ね年代が上がるに連れて参加率は下がっています。しかし、「映画」に比べて10代の参加率が低い上、30代以降の参加率が急速に低下しています。

 

ボウリングの性・年代別参加率

 

ガーデニングの性・年代別参加率

 

一方、「映画」は10代の参加率が比較的高いほか、30代以降も家族揃って楽しむことができることなどから低下幅が限られているので、結果的に全世代を通して一定の参加率を維持できているようにみえます。

ただし、「映画」の参加率で気になるのは、女性の60~70代で低下していることです。「ボウリング」や「園芸・庭いじり」では、女性の60~70代で参加率が上昇していることから、映画よりも他の余暇活動に興味・関心が移っているかもしれません。

ところで、「園芸・庭いじり」については、女性の参加率が30代以降、急速に上昇しています。正直、ビックリしました。「園芸・庭いじり」というよりも「ガーデニング」という言葉の方がイメージに合っているのかもしれません。

 

居住地域別の参加率

続いて、「映画」の参加率を居住地域別に確認してみましょう。

全国を24の居住地域に分けて、「映画」の参加率をまとめたのが、下の表です。第1位は「神奈川」となっています。以下「大阪」「北陸」「福岡」「東京」「千葉」と続いており、比較的、大都市が上位に位置しています。

 

 

居住地域別の参加率 映画 新潟

 

なお、私たちが住む「新潟」は第24位と最下位となっています。サンプル数が「新潟」は80と少ないため、あまり気にする必要はないのかもしれませんが、近隣の「北陸」や「長野・山梨」に比べ、かなり低い参加率となっています。

 

感想

思っていた以上に「映画」の参加率が高く、認識を変える良い機会となりました。

また、他の余暇活動と比べることで、「映画」に限らず、何かしらの取り組み・活動を普及・浸透させていくには、当たり前ではあるのですが、①まずは若年層での体験率を高めること、②親子で楽しめる機会を提供すること、③シニア層を呼び戻すこと、などが大切であると改めて感じました。