新潟が購入数量第1位!知っているようで知らない!里芋の現在

 

先日、「おせち料理と世界遺産の意外な関係とは?」をご紹介した、新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

おせち料理ではありませんが、大晦日からお正月にかけて「のっぺ」を食べられる新潟のご家庭も多いと思います。その「のっぺ」の具材である「さといも」について、今日はご紹介したいと思います。

 

のっぺい

 

歴史

さといもはインドや東南アジア地域が原産地とされています。日本には稲より早く、縄文時代に渡ってきたとの説があります。

自生した山のいもではなく、里で栽培されたことから、さといもと名づけられたようです。

さといもは親芋の周囲に子芋、さらに孫芋と次々に芋がつくていくため、子孫繁栄の縁起物として、お正月やお祝い用の料理に使われてきました。

 

サトイモ

 

出荷と需要動向

出荷量の推移~近年は横ばい~

農水省『作況調査(野菜)』によると、さといもの出荷量は長期的には低下傾向にありますが、近年はほぼ横ばいで推移しています。

 

さといも 出荷量

 

また、農水省『平成26年産野菜生産出荷統計』により、都道府県別の出荷量をみると、宮崎県、千葉県、埼玉県などで多くなっています。

 

さといも 都道府県別出荷量

 

なお、新潟県は第8位の出荷量です。信濃川・阿賀野川流域の水はけの良い肥沃な土地を中心に栽培され、五泉市が出荷量の5割を占めています。

五泉市には『帛乙女』(きぬおとめ)と名付けられたブランド商品があります。特徴であるきめ細かな白肌を

日本三大白生地産地である地元五泉産の『絹織物』の帛にたとえ、乙女のような愛らしさで、人々に親しんでもらえるようにと

資料:五泉市「さといも」
(http://www.city.gosen.lg.jp/kanko/
tokusan/000299.html 12月18日アクセス)

名付けたようです。

 

年間支出金額の推移~近年は横ばい~

総務省『家計調査』を使って需要側の動向をみると、出荷量と同じく、さといもに対する1世帯あたりの年間支出金額は長期的には低下傾向にあるものの、近年はほぼ横ばいの支出金額で推移しています。

 

さといもの支出額

 

月別の支出金額~12月にピーク~

また、月別でみると、8月頃からさといもの支出金額が増え始め、12月にピークを迎えます。

 

さといも 月別支出額

 

年代別の支出金額~70歳以上がトップ~

年代別にみると、世帯主の年齢が高いほど、さといもの支出金額が増える傾向にあります。70歳以上の世帯主では29歳以下の実に6倍の支出金額となっています。

 

里芋・世帯主別

 

地域別のランキング~支出金額は山形市がトップ~

1世帯あたりの年間支出額(2012年~2014年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別にみると、「山形市」が第1位、そして「新潟市」が第2位となっています。

また、1世帯あたりの年間購入数量(2012年~2014年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別にみると、「新潟市」が第1位となります。

 

里芋・消費量・都道府県別

 

支出金額よりも購入数量の順位が高いので、新潟市は山形市よりも比較的値ごろな、さといもをたくさん購入しているようです。

 

最後に

さといもの年間支出金額がトップの山形市といえば、「日本一の芋煮会フェスティバル」が有名です。開催日だけで、さといもを3トン使用します。

また、年間購入数量がトップの新潟地域では、「のっぺ」のほか「いも味噌」などの郷土料理の具材として頻繁に使われています。

当然ながら、さといもを日頃から親しみをもって食べている地域で消費量が多いということですね。

さて、お正月に「のっぺ」を食べる際には、今日のデータを使って「さといもの購入数量は新潟が一番なんだって」と家族にウンチク自慢をしたいと思っています。

 


 

資料:

渋谷歌子・本間伸夫・石原和夫・佐藤恵美子
新潟県の郷土食に関する研究(第22報:のっぺい
県立新潟女子短大研究紀要、 Vol.25 (1988)
(http://nirr.lib.niigata-u.ac.jp/bitstream/
10623/17697/1/09_25_0006.pdf 12月18日アクセス)

五泉市「さといも
(http://www.city.gosen.lg.jp/kanko/
tokusan/000299.html 12月18日アクセス)

新潟県「10月の旬 さといも
(http://www.pref.niigata.lg.jp/syokuhin/
shun10_satoimo.html 12月18日アクセス)

JA全農やまぐち「正直通信 農産物のお話 さといものお話
(http://www.yc.zennoh.or.jp/web/shoku/
0512_1.html 12月18日アクセス)

新潟県旅館ホテル組合 青年部
「にいがた朝ごはんプロジェクト実行委員会」
新潟朝ごはん2015~2016冬篇 五頭温泉郷
(http://www.niigata-ryokan.or.jp/
asagohan/gozu/ 12月18日アクセス)

日本一の芋煮会フェスティバル協議会事務局のウェブサイト
(http://www.y-yeg.jp/imoni/ 12月18日アクセス)