効果的なセールストークを磨く前に準備することとは?

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。

今月の「センター月報5月号」では、お客様の情報を手入れて提案に結びつけるための方法について、ご説明いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

情報の入手方法

 

情報を手に入れる方法

 

 

ランチェスター経営戦略の第一人者である(中略)竹田陽一先生はいいます。

「新規開拓で必ず出てくるのが『商品を売る前に自分を売れ』という話だが、これはお客が自慢にしているものや関心を持っているものを見抜き、これを話題にすることが真の自分を売ることになる」

私の家にも営業マンらしき人が訪ねてくることがありますが、その99%の人は「自分の話」、あるいは「自分の商品の話」しかしません。私の関心を持っているものを見抜き、それを話題にする人はほとんどいません。

私の家の玄関には私が描いた油絵が掛けてあります。かなり大きなサイズです。しかも2枚も掛けてあります。しかし、今まで訪ねてきた営業マンで「素敵な絵ですネ」と口にした人は一人もいません。

もちろん、私の絵の下手さもあるのですが、竹田先生がいうところの「客が自慢にしているものや関心を持っているものを見抜き、これを話題にすることが真の自分を売ることになる」ということを理解せず、「自分の話」と「自分の商品の話」をしようとする人ばかりです。

玄関には父と母の車椅子と歩行器が置いてあります。どちらも大きなものですから、営業マンの目には入っているはずです。しかし、「ご両親を介護されているのですか」と訊いてきた人は一人もいません。

だから、相手には私の情報が何一つ手に入りません。私が何に関心と興味があるのか相手には分からない。だから、効果的なセールストークができないのです。そのため売れないわけです。

戦闘でも、ビジネスでも同じですが戦略を立てて、戦術を実行する前に必要なことは情報を集めることです。正しい情報を集めることができて初めて正しい戦略と戦術を立てることができます。しかし、人間の心理というのは主観的、自己中心的になりがちです。それは自分以外の人生を生きることができないためです。そのためよほど意識をしないと相手の視点に立つということはなかなかできません。

以前、心理学の先生から次のように教えていただきました。

「地球に初めて来た宇宙人になったつもりで相手の話を聞きなさい」

つまり、地球の言葉や日本語があまりよく分からない宇宙人のように相手に意識と注意を向けて関心を持って話を聞きなさい、それによって地球人や日本人のことが初めて分かるようになる、ということです。

私が今までお会いした方には「この人は話がうまい」と思った人は大勢いましたが、「この人は聴き上手だ」と感じた方はごくわずかです。

あなたは誰に本音を話すでしょうか。あなたはどんな相手に心を開くでしょうか。

…それは、ちゃんとあなたの話を聞いてくれる人ではないでしょうか。

もしかしたら商品やサービスというのはお客様の話を「訊く」「聞く」「聴く」ことによって売れるようになるのかもしれませんね。

 

酒井とし夫(2018)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第26回」『センター月報』2018年5月号

 

 

感想

酒井先生がおっしゃるように、「人間の心理というのは主観的、自己中心的になりがち」なのかもしれません。私自身の日常生活を振り返っても、歳を重ねるほどに相手の話を聞かずに自分の話をするようになってきていると感じます。

そうならないためにも、相手の話をまずは聞く習慣を今さらながらも身に付けたいと思います。