RESASの目的地分析から地域連携を考えてみる

 

こんにちは。RESASの研修会の運営つづきで、RESASのことが頭から離れない小林です。

ということで、今回もRESASの操作や活用で気付いた点をお伝えしていきます。

 

集客スポットの人気度をみる「目的地分析」

RESASには7つのマップがあります。このうち観光マップに「目的地分析」があります。

この分析で使われているデータは、株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」が基になっています。簡単に言うと、同社の検索システムで検索された観光施設や集客スポットの中で、検索回数が多い(年間検索回数が自動車は50回、公共交通は30回以上。年間検索回数が全国1000位以内または都道府県別50位以内または市区町村別10位以内)施設やスポットのデータが収録されています。そして、都道府県ごと、または市町村ごとにランキング形式でデータがまとめられています。

例えば、2015年の休日に自動車で村上市の観光施設や集客スポットを訪れようとした人たちの検索結果をRESASでみてみると以下のようになります。目的地分析 村上市

これをみると、県内有数の温泉地のひとつである「瀬波温泉」が断トツに多いことが分かります。さらに、3位以降にランキングされている「瀬波温泉」にある個別の旅館やホテルまでを含めると、休日に村上市を訪れようとする人たちの目的地としては、圧倒的に「瀬波温泉」が多いことが分かります。

それでは、「瀬波温泉」を目的地として訪れようとする人たちは、どちらの方面から訪れようとしているのでしょうか?RESASでは、目的地ごとにどちらの方面から訪れようとしているのか(=どこの方面の人が目的地として検索しているのか)も知ることができます。「瀬波温泉」の結果は以下のとおりです。

出発地

これをみると、「新潟県新潟市」が圧倒的に多いことが分かります。また、下位以降には、新潟県内の市町村が散見されることから、新潟県内の人たちが主たる来訪者であることが分かります。その一方で、山形県や宮城県、福島県などの近県や、東京都や埼玉県などの首都圏といった県外からの来訪者も相応にあることが分かります。

以上の分析結果をふまえ、村上市の観光振興策を検討するとしたら、「瀬波温泉」を集客の核とし、新潟県内へのPRとともに、RESASのデータで示された県外各地へのPRを進めていくといった分析結果の活用が考えられます。

 

さらに分析を進めるには

以上の「目的地分析」では、ある一つの市町村の観光施設や集客スポットの検索ランキングに、周辺市町村の観光施設や集客スポットも加え(合算し)、地域全体の集客スポットなどの検索ランキングを分析することもできます。合算できるのは、同一県内の市町村はもちろんのこと、県外の市町村も合算することが可能です。

例えば、上記の村上市の「目的地分析」に、同市に隣接する山形県鶴岡市を合算した結果は以下のとおりです。目的地 鶴岡合算

 

これをみると、「鶴岡市立加茂水族館」が断トツの検索数となり、次点の「瀬波温泉」のほぼ3倍の検索数となっていることが分かります。

さらに、「鶴岡市立加茂水族館」を訪れようとする人たちが、どちらの方面から訪れようとしているのかも確認したいと思います。すると、上位の市町村は「瀬波温泉」を目的地とした人たちの出発地とほぼ同様となっています。

以上から、県域を越えて連携し、協働による集客や相互送客などを検討してみるのもよいのかもしれません。

出発地 加茂水族館

 

まとめ

振興策や活性化策を検討する場合、とかく同一市町村内だけで検討したり、周辺市町村と連携する場合でも同一県内の中だけで考えることが多いようです。しかし、特に県境などでは、元来、隣接する県外市町村と経済面や文化面などで密接なつながりがある場合が多いようです。

これまでは、経験や習慣で行ってきた協力関係を、RESASを使った上記の「目的地分析」のように「見える化」しながら、同一県内での地域連携はもちろんのこと、県域を越えた地域連携が進むことが期待されます。