千葉県観光物産協会様でのRESAS講習会【ステップアップ編】

 

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

3月15日に公益社団法人千葉県観光物産協会様の主催で開催されました「地域経済分析システム【RESAS(ステップアップ編)】」の様子をご紹介いたします。

これまでも、同協会様からは「地域経済分析システム【RESAS(初級編)】」と題した講習会での講演のご依頼をいただいてきました。これまでの講習会は、RESASを初めて使われる方々を主な対象に、RESASの概要や操作方法をご説明するというものでした。具体的には、受講者の皆さまに実際にパソコンでRESASを操作していただきながら、RESASで閲覧することのできる統計データや分析結果を確認していただくというものでした。これまでの講習会の様子については、「千葉県観光物産協会様でのRESAS講習会」「千葉県観光物産協会様でのRESAS講習会【2回目】」「千葉県観光物産協会様でのRESAS講習会【3回目】」をご覧下さい。

一方、今回からは講習会の名称も初級編からステップアップ編に改められました。内容もRESASの操作方法に加え、RESASを活用した地域経済の分析方法を紹介してほしいとのご依頼をいただきましたので、パソコンを使ったRESASの操作を交えながらも、RESASに搭載されている統計データや分析結果の見方や分析のポイントを重点的にご説明する内容としました。

 

講習会の構成・内容

今回の講習会では、RESASに搭載されている「地域経済循環図」を使って、地域経済の問題点や課題を分析・理解する方法を中心にお伝えすることとしました。ちなみに「地域経済循環図」とは、ある地域内におけるお金の流れを生産・分配・消費の3面から捉えたものです。「地域経済循環図」では「どの産業が稼ぐ力を持った産業なのか」「域内で稼いだ付加価値はどこに分配されているか」「域内で分配された所得や利潤はどこで消費または投資されているか」などといったことを確認することができます。詳細をお知りになりたい方は、「地域経済循環図」を開発された株式会社価値総合研究所様のホームページをご覧下さい。

講習会は大きく3部構成とし、第1部で「地域経済循環図」の概要説明、第2部で「地域経済循環図」を使った千葉県内の市町村の分析事例の説明、第3部で「地域経済循環図」を使った分析実習を行ないました。

第1部では「地域経済循環図」の概要や見方について、具体的な経済活動を通してご説明しました。今回は、新潟県村上市における、ある小売店の経済活動を例にして、企業の販売や仕入などといった経済活動がどのように地域の資金の循環(流出入)に影響するかをご説明しました。

 

 

第2部では、千葉県の流山市と習志野市について「地域経済循環図」と関連するRESASのその他の分析結果を使って、両市の現状と課題の分析事例についてご紹介しました。両市ともベッドタウン(近年も人口は増加もしくは横ばい)として市外からの所得流入が多い(市外の企業等で働いている人が多い)一方で、市内での支出が所得の規模に比べて少ないため、市内での資金の循環が比較的弱いことなどをご説明しました。資金の循環を高める対策の一つとして、地産地消を進めることなどが考えられることをご説明しました。

第3部は受講者の皆さまの実習とし、第2部での分析事例を参考にしながら銚子市と館山市について現状と課題を分析していただきました。具体的には、こちらが用意した穴埋め形式の分析シートにRESASを使いながら両市の現状を整理し、そのうえで課題や対応策を考えていただきました。

 

 

 

実習の事例で取り上げた両市は、第2部でご説明した2市とは異なり、人口の減少と少子高齢化が進んでいます。それらのこともふまえ、現状と課題を整理していただきました。その後、最後にこちらとしての両市の分析事例を参考までにご説明しました。

 

感想

実習終了後、受講者の数人に感想をお聞きしたところ、「地域経済循環図は難しい」「(RESASを使って現状整理はできたが)対策を考えるのが難しい」というような反応でした。その一方で、分析結果を発表いただいたところ、現状をふまえたうえでの対策がいくつか出されました。例えば、銚子市の分析において「1月に市外客が多いが、これは犬吠崎に初日の出を見に来る市外客と思われるので、その人たちに消費をしてもらうことを考えてはどうか」などといったアイデアが出されました。

30分程度の分析時間で、じっくり考える時間は少なかったと思われますが、皆さま真剣に現状を分析したうえで、現状をふまえた対策を考えて下さいました。そして、「地域経済循環図」は難しいながらも、地域の現状を把握し、これからの地域のあり方を考えるうえでの分析ツールとして有効であると感じていただけたのではないかと思っています。その一方で、「地域経済循環図」について、より分かりやすくご説明するための方法やノウハウの必要性を感じたところです。

最後に、今回も熱心に受講して下さった皆さま、またこちらに講師のお声がけ下さった千葉県観光物産協会の皆さま、大変お世話になりました。ありがとうございました。