「地域商社の現状と運営のポイント」関する調査レポートをまとめました

新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

近年、少子高齢化や人口減少などによる地域経済の縮小が懸念されています。そのようななか、地域経済の活性化に向けた打開策として、「地域商社」の取り組みが注目を集めています。


そこで今回は、地域商社の現状等についてご紹介したいと思います。なお、県内外における地域商社の事例や運営のポイントなど詳しくは、センター月報4月号「地域商社の現状と運営のポイント」をご覧ください。

地域商社とは

中小企業庁の「中小企業白書(2015年版)」によると、地域商社は「全国ではなく、地域に密着して、地域資源の発掘、地域資源の活用法検討、市場調査、商品開発、販路開拓(商談・ビジネスマッチング)、販売促進活動、販売、メーカーへの販売情報の提供など、地域の生産者の活動を全面的にサポートするとともに、全国(海外)へ積極的に地域の商品(特産品等)を売り込んでいく取組または機能」とされています。

端的にいえば、地域商社とは地域資源を発掘し地域内外への販路を開拓していく存在であり、地域産品を取り扱う卸売業者や自治体が大都市で運営するアンテナショップなども含まれます。また、地域固有の観光資源を活用することで地域外から旅行者を呼び込み、飲食や物販サービスを提供する観光事業者なども地域商社の一つと考えられます。

地域商社の役割

地域商社の役割は幅広く、事業内容や組織体制も一様ではないものの、いずれの地域商社においても「地域資源の発掘」「地域産品の高付加価値化」「地域産品の販路開拓」という3つの役割を担っています。

地域商社の類型

地域商社を、主な活動内容により整理すると、「小売型」「卸売型」「観光型」の3つに分類することができます。「小売型」とは地域内外に店舗や売り場を持ち、地域産品や地域産品を活用した料理などのサービスを消費者に販売・提供している事業者を指します。また「卸売型」は地域の生産者から地域産品を仕入れて地域内外の小売業者や卸売業者に販売する事業者を指します。さらに「観光型」は地域固有の観光資源を活用した観光商品の企画・販売を行うことで地域外から旅行者を呼び込む事業者を指します。

国の取り組み

国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地域商社の設立・普及を重要な取り組み分野としており、さまざまな支援策を講じています。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部などがまとめた「地域商社に関する支援メニュー」によれば、「組織・事業立ち上げ」「開発・ブランディング」「市場展開」の3分野で18事業に取り組んでいます。

なお、国によると他地域のモデルとなるような地域商社事業に取り組む「モデル的地域商社」の設立数は2017年度時点で16社となっており、国は地域商社の設立・普及の支援に引き続き取り組むことで、20年までに100社の設立を目指しています。

おわりに

近年、地域経済の索引役として、地域商社の設立に向けた動きが広がりつつあります。地域経済の活性化が求められるなか、地域資源の発掘から販路開拓、地域資源のブランド化など地域に根ざした事業展開が期待される地域商社の存在意義は、今後、ますます高まっていくものと思われます。