日本企業の海外売上高比率が過去最高を更新。米州向け輸送機械が牽引

新潟経済社会リサーチセンターの神田です。近年、日本企業が海外での売上高比率を伸ばしていることから、その地域別や業種別動向、さらには新潟県の動向について、今日はお伝えいたします。

 

 

日本企業の海外売上高比率は約6割となり過去最高を更新

ジェトロ(日本貿易振興機構)の「世界貿易投資報告(2016年版)」によると、日本の上場企業(186社)の15年度の海外売上高比率は58.3%となり過去最高を更新しました。13年度以降、3年連続で国内を上回っており、国内市場縮小などを背景に海外で売り上げを伸ばしている様子がうかがえます。

次に売上高を地域別にみると、米州(北米・中米・南米)が25.9%と、海外売上高の約半分を占めています。巨大市場のひとつといえる中国を含むアジア大洋州、欧州での売り上げが概ね横ばいで推移しているのに対して、ここ数年、米州では増加傾向にあります。

▲日本企業の売上高の地域別構成比

▲日本企業の売上高の地域別構成比

 

さらに業種別に地域の動向をみると、素材・素材加工品の比率は国内の売上高が海外を上回っているものの、輸送機械や機械・電気製品は海外が上回っています。特に輸送機械は海外売上比率が6割を超え、そのうち米州での売上高が約半分を占めています。

▲日本企業の主要業種別の売上高構成比(地域別)

▲日本企業の主要業種別の売上高構成比(地域別)

 

新潟県内企業の動向は?

それでは新潟県内企業の動向はどうでしょうか。新潟県がまとめた「新潟県輸出入状況・海外進出状況調査報告書」において県内企業の輸出動向の推移をみると、アジア向けが約6割と最も高く、次いで米州、欧州の順となっています。地理的要因などから県内企業はアジア向けの輸出が中心となっているものと思われます。

▲新潟県企業の地域別の輸出額

▲新潟県企業の地域別の輸出額

 

次に主要業種の輸出額を地域別にみると、プラスチック、電気機械などはアジア向け輸出が圧倒的に高くなっています。一方、輸送機械はアジア向けと米州向けがほぼ同水準となっており、県内の輸送機械関連企業も米州を主力先のひとつと位置付けているようです。

▲新潟県企業の主要業種別の輸出額構成比’(地域別)

▲新潟県企業の主要業種別の輸出額構成比(地域別)

 

終わりに

今回は日本企業の海外売上高の動向についてご紹介しました。その中で日本企業の海外売上高が拡大傾向にあること、さらに日本企業にとって米州が事業展開上の重要な地域のひとつとなっている状況がわかりました。

折しも米国はTPP協定に大筋合意しており、協定発効後には乗用車の関税を段階的に撤廃するほか、自動車部品の関税も即時撤廃される見通しです。こうした機会を有効活用し日本企業が海外で売上高を伸ばしていくことかできるか注目していきたいと思います。