県内にも身近なところに有名建築家の作品が!~新潟県が誇る大建築家・前川國男の作品も~

前川國雄が設計した新潟市美術館

前川國雄が設計した新潟市美術館

 

県内にも「プリッカー賞」受賞者の作品が

連日のように報道されていた新国立競技場の過大建築費の問題は、デザインを白紙撤回することで一旦決着しました。建築デザインに対して、国民の関心がここまで高まったのは珍しいことです。

新国立競技場の当初案をデザインしたザハ・ハディド氏は、「アンビルト(建築されない)の女王」と呼ばれる世界的な建築家だそうです。彼女は、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリッカー賞」を、2004年に、女性で初めて、しかも史上最年少で受賞しています。

「プリッカー賞」は、米ホテルチェーンのオーナーであるプリッカー一族が運営するハイアット財団が、1979年から世界最高の建築家を毎年1名(1組)表彰しているものです(1988年のみ2名)。新国立競技場のデザインコンペの審査委員長を務めた安藤忠雄氏は1995年に「プリッカー賞」を受賞しており、新国立競技場のデザインの修正を提案した槇文彦氏は1993年に「プリッカー賞」を受賞しています。

日本人はこれまで「プリッカー賞」を6度受賞しています。そこで、「プリッカー賞」を受賞した日本人の作品が県内にもないものかと調べてみました。

日本人プリッカー賞受賞者並びに主な有名建築家の県内作品

▲表をクリックすると、鮮明に見えます。

 

 

新潟県が誇る大建築家 前川國男

新潟県が誇る大建築家と言えば新潟市出身の前川國男(1905-1986年)です。前川は日本の近代建築の源流となった人物です。

日本人初の「プリッカー賞」受賞者で、東京都庁舎や国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を設計した丹下健三(1913-2005年)は、大学卒業後に前川の事務所で建築の勉強をしていました。その丹下健三の門下として、同じく「プリッカー賞」受賞者の槇文彦氏や、世界的建築家であった黒川紀章(1934-2007年)が育っており、前川の後に続いた建築家達が日本の近代建築と、第2次世界大戦後の現代建築を支えてきました。

近代建築では、ル・コルビュジェ(仏)、フランク・ロイド・ライト(米)、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(独)が3大巨匠と呼ばれています。前川は、1928年から2年間フランスへ留学し、ル・コルビュジェから建築を学びました。帰国後、フランク・ロイド・ライトの弟子であるアントニン・レーモンドが東京に開設した事務所に5年間勤務し、その後独立しました。ちなみに、アントニン・レーモンドは新発田カトリック教会を設計しています。

前川の代表作としては、財団法人木村産業研究所(弘前市にある国登録有形文化財)、弘前市庁舎、東京文化会館、東京都美術館、国立国会図書館本館・新館などがあります。首都東京に多いのは当然として、それ以外では青森県弘前市に多いようです。

県内では新潟市美術館が前川の晩年の作品です。新潟市美術館は、老朽化した箇所の改修のため、9カ月間の休館を経て7月19日にリニューアル・オープンしたばかりです。郷土の大建築家を偲んで、新潟市美術館を訪れてみるのも良いかもしれません。