飽きさせない、そして眠くさせない講演会・セミナーにするためには?

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

ありがたいことに、ここ1か月ほどの間、講演会の講師をお引き受けする機会が重なりました。昼食直後といった比較的眠くなりやすい時間帯での講演会が続いたこともあり、いつもより、質疑応答や実習の時間を多めに取り入れてみました。

その結果、以前よりも活気のある講演になったような気がします。

こうした工夫をしてみようと思ったのは、ある書籍を読んだからです。今日はこの書籍をご紹介したいと思います。

 

パネルディスカッションの会場

 

 

寺沢俊哉著『プロ研修講師の教える技術』

参考にさせていただいた書籍は、寺沢俊哉(2011)『プロ研修講師の教える技術』ディスカヴァー・トゥエンティワン です。著者は日本生産性本部の主席経営コンサルタントであり、講師の心構えから細かな講義テクニックまで、幅広くカバーした書籍となっています。

 

 

こうした中、私が注目した点は次の2か所です。

 

 

Aさんの研修は好評でした。なぜなら、簡単な話をしたあと実習させて、その中でいろいろな気づきを与えていたからです。

(中略)

まさに「答えは相手に見つけてもらう」を実践し、そのことによって、相手を「お客さん」にせず「参加者」にさせていたのです。
そうです。
「お客さん」にせず「参加者」にさせろ!

これが、大人に教える際のキーワードです。

 

寺沢俊哉(2011)『プロ研修講師の教える技術』ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

 

講演会など、クラス規模を超えているときは、こらちから一方的に話す形式になりがちですが、それでも、質疑応答や簡単な実習を取り入れるなどして、相手に発言してもらう機会をつくりましょう。

(寺沢俊哉,2011)

 

ただし、質問を聴講者に投げかけても、質問の問いかけ方が悪くなったり、回答しにくい雰囲気だったりして、会場が「シーン」としてしまう恐れがあります。だから、むやみに質問を投げかけにくいものです。

その場合の対処方法として、著者が代表を務める会社が運営するWebsiteに、次のようなヒントが提案されています

 

 

【質問】

研修でも会議でも、なかなか発言してくれない人がいます。なるべく全員の方に話して欲しいのですが、どうしたらいいでしょうか。

【回答】

どうしても、口べたで遠慮気味の方はいらっしゃいますよね。でも、実はそういう人ほどよい意見やアイデアをもっていたりします。

おすすめの方法は、「ペアワーク」を取り入れることです。

たとえば、「○○について意見のある人」と言っても、だれも手が上がらない。

その場合でも、「では、これから○○について、お隣の人と意見交換します。どうぞ」と言えば、何らかの会話がはじまります。

これが、3人だと、黙っている人が出てしまう可能性があるので、基本2人で行う。

その後で、「今、話し合われたことを、ちょっと教えてください」と言えばいいでしょう。

 

テラメディア「意見を言わない」『つかみネタ大辞典』 2015年1月19日

<http://tsukamineta.com/?p=518>2016,年7月15日アクセス.

 

実際に試してみて

質疑応答の際、「コレは正しいでしょうか、それとも間違っているでしょうか。○か×お答え下さい」といったいわゆる「クローズド質問」の場合には、全員に挙手で回答してもらいました。挙手であれば、ほぼ全員が参加してくれると思います。

一方、「これについてはどう思いますか?」といったいわゆる「オープン質問」の場合には、まずは個人で数分間考えていただいた後に、聴講者の中から発表者を募るものの、誰も発表したがらない際には様子を見て、隣同士で意見交換してもらう「ペアワーク」を取り入れてみました。

結論から言うと、ペアワークは思っていた以上に良いと思いました。①聴講者の参加意識が高まるほか、②眠気の防止にもつながり、③そして会場の場がなごみます。

とかく聴講者の人数が多いと、「一方的に話さなければならない」と思いがちですが、講演終了後、聴講者に感想を尋ねてみると、考える時間があったり、確認できたり、休憩時間のかわりともなり、集中力が続きやすくなったと概ね好評でした。

もし、人前で長く話さなければならない時は、少しの勇気を出してペアワークを取り入れてみてください。きっと予想以上の効果を実感できると思います。