PDCAに潜む罠

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

さて、企業であれ、行政であれ、最近はPDCAサイクルの実践が重視されるようになっています。なお、フリー百科事典「ウィキペディア」によると、PDCAサイクルとは…

 

事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

 

「PDCAサイクル」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
2015年3月30日 (月) 11:58 UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

と説明されています。

 

ちょっと待った!そのPDCAサイクル

ところが、観光や地域づくりの現場でこのPDCAサイクルの使い方を誤ると、逆効果になる時もあるというのです。

私どもの機関誌「センター月報5月号」では、PDCAサイクルの注意点について解説しています。執筆は毎月、連載をお願いしている井門観光研究所の井門隆夫先生です。

例えば、PDCAサイクルのこのような注意点です。

 

地方の観光の現場では、むしろ逆効果のように思えてはならない。それは、そもそも観光や地域づくりは「短期」ではできず、ルーティンクワークではないためだ。PDCAを作っても、「P(計画という名の絵に描いた餅)」を作ることが目的となってしまい、その後が続かない。

(中略)

「計画」に縛られ、自由がきかず、結果として無理やり計画値に帳尻を合わせようとするばかりで、本来の目的を達成するとはいえないという事業ばかりが現実ではないだろうか。
長い目線が必要な地方の現場や地方創生を年度単位で動かそうというのがそもそも無理なのだ。

(中略)

あるとすれば「臨機応変」だ。計画どおりなんかいくわけがない。「いつか達成するぞ」というビジョンを掲げつつ、その場しのぎで右往左往するのが現場であり、それが一番自然な姿だと思う。

井門隆夫(2015)「地域観光事業のススメ方第62回」『センター月報』2015年5月号

 

もちろん、PDCAサイクルの注意点だけではなく、地域活性化を進める際の手順についても、井門先生ならではのご提案をされています。

井門隆夫先生の連載

▲センター月報2015年5月号

 

読み終えて

当たり前のことですが、短期だけではなく、中長期的な視点で地域活性化をとらえることの大切さを再認識しました。

中でも観光分野の場合は、デスティネーションキャンペーン、大河ドラマや自然災害などによって、観光入込客数が上下に変動しやすい特徴があります。したがって、一喜一憂するのではなく、中長期的な視点でその観光地の方向性をしっかりと見定めたいと改めて感じました。