都道府県別の事業所数ランキング

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、「今後の地域経済産業政策のあり方~ 大庫 直樹氏著「地域金融のあしたの探り方」の感想~」を投稿し、新潟県内の就業者数と就業者当たりの付加価値額を確認しました。その際、「そもそも新潟県内の事業所数は全国的にみて多いのか?少ないのか?」という点に疑問を感じました。そこで、新潟県内の事業所数を調べてみましたので、本日はその結果をご紹介いたします。

 

工場 事業所数

 

事業所とは?

事業所数については、総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査(速報)」をもとに整理していきます。

まずは、事業所の意味を確認しておきましょう。総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査(速報)結果の概要」によると、次のように説明されています。

 

経済活動が行われている場所ごとの単位で、原則として次の要件を備えているものをいう。

① 一定の場所(1区画)を占めて、単一の経営主体のもとで経済活動が行われていること。

② 従業者と設備を有して、物の生産や販売、サービスの提供が継続的に行われていること。

 

総務省・経済産業省(2017)「平成28年経済センサス‐活動調査(速報)結果の概要」p.47

 

やや漠然とした説明となっているので、事業所の「種類」に関する説明もみてみましょう。

 

・単独事業所

他の場所に同一経営の本所(本社・本店)や支所(支社・支店)を持たない事業所をいう。

・ 本所(本社・本店)

他の場所に同一経営の支所(支社・支店)があって、それらの全てを統括している事業所をいう。本所の各部門が幾つかの場所に分かれているような場合は、社長などの代表者がいる事業所を本所とし、他は支所としている。

・ 支所(支社・支店)

他の場所にある本所(本社・本店)の統括を受けている事業所をいう。上位の事業所の統括を受ける一方で、下位の事業所を統括している中間的な事業所も支所としている。

支社、支店のほか、営業所、出張所、工場、従業者のいる倉庫、管理人のいる寮なども含まれる。なお、経営組織が外国の会社は支所とする。

・ 複数事業所企業の事業所

本所及び支所が含まれる。

 

総務省・経済産業省(2017)「平成28年経済センサス‐活動調査(速報)結果の概要」p.50

 

以上の説明で、具体的なイメージがつかめたと思います。

 

都道府県別の事業所ランキング

それでは他の都道府県と比べた際の新潟県内の事業所数を確認してみましょう。

全国の事業所数は2016年で562万2,238事業所となっています。

これを都道府県別にみると、東京都が69万4,647事業所、構成比で12.4%を占めて最も多くなっています。以下、大阪府が42万7,765事業所(構成比7.6%)、愛知県が32万5,300事業所(同5.8%)、神奈川県が31万794事業所(同5.5%)、埼玉県が25万2,194事業所(同4.5%)などとなっています。当然ながら、大都市圏の都道府県が上位となっています。

一方、私たちが住む新潟県は11万5,551事業所(同 2.1%)となり、第14位でした。2016年の人口数を都道府県別にみると、新潟県は第15位であるため、人口相応の事業所数となっているようです。

 

事業所数 都道府県ランキング 順位

 

事業所数の推移

続いて、事業所数の推移についても確認してみましょう。

全国の事業所数を4年前の2012年と比べてみると、2.5%の減少となっています。これを都道府県別にみると、宮城県が4.5%の増加、沖縄県が1.2%の増加、岩手県と福岡県がともに0.3%の増加となっています。それ以外の都道府県は全て減少となっています。

一方、私たちが住む新潟県は4年前に比べて4.5%の減少です。増減率の順位は第39位と低迷しています。新潟県(2017年)「事業承診断 集計結果」によると、経営者の年齢が50~60歳代のうち、後継者が不在と推定される事業者4,119件を対象にした調査において、約1/4にあたる24.2%が「廃業予定」と回答していることから、今後も、事業所数の減少が続くことが懸念されます。

 

事業所数 増減率 都道府県ランキング 順位

 

感想

事業所数の増減率で新潟県は第39位と低迷していることには少々、驚きました。引き続き、創業支援や円滑な事業承継が不可欠なようです。

特に事業承継については、先ほどもご紹介した新潟県「事業承診断 集計結果」によると、後継者候補が「いる」にもかかわらず「特に準備していない」事業者が調査対象者全体の20.6%、後継者候補が「いない」ものの、「事業承継したい」または「事業承継の準備をしたい」事業者が合わせて調査対象者全体の25.2%となっており、こうした事業者の支援も鍵となりそうです。