ハロウィン仮装まつり&秋の夜長のぶらり酒 新津商工会議所、楽しいイベントを続けて地域の賑わいを創出!(その2)

 

新潟経済社会リサーチセンターの佐藤です。前回に続き、地域の賑わい創りに取り組む秋葉区の新津商工会議所(以下「商工会議所」)の様子をご報告します。

 

新津 ハロウィン

 

商店街と協議を重ね、11月の閑散期に新たなイベント取り組み!

3年ほど前の2015年頃のことです。ハロウィン仮装まつりは大いに賑わうのですが1日のみの開催なので、商工会議所では何とかしてこの賑わいを継続させて地域の商売繁盛などにつなげたいと考えていました。商店街や飲食店からも、10月下旬から11月下旬は秋のイベントと忘年会シーズンの狭間で閑散期だ、この時期に何か企画して欲しいとの声が沢山ありました。

新津地区の現状を点検してみると、新しい住宅地が開発されたおかげで域外から転居する人が増えています。加えて行政の新たな拠点や大学の新キャンパスなどが設けられたおかげで当地区へ通勤・通学する人も増加しています。しかし、これらの人たちはあまりまちなかに出てきていないことが確認されました。

そこで、ターゲット層を新津地域に在住あるいは通勤・通学する人たちに定め、まちなかにはいい店がたくさんあることをまず知ってもらう、1回入店してもらえば次回は気軽にきてもらえる、さらに友人などを連れて「私の馴染みの店」へきてもらおうなど、新たなイベントが目指す方向が固まっていきました。

秋の夜長、友人たちと連れ立ってまちに出てきてもらうにはどうするか、初めての店に気軽に入るにはどんな工夫が必要か、女性だけのグループでも気軽に入店できる工夫も必要だなど、商工会議所の担当者と店主さんたちが検討に検討を重ね、「にいつナイトステーション(以下「NNS」)」の企画ができあがりました。

イベントのネーミングは、飲食店を「ステーション」に見立て、秋の夜に鉄道のまち「にいつ」を舞台に、汽車が各駅を巡るようにたくさんの飲食店を巡ってもらおうとの想いが込められています。

企画の骨子は以下のとおりです。

・イベント期間は10月末頃から半月程度に設定する
・地域の多くの飲食店に参加を募り、エリア全体の賑わいを目指す
・参加店共通の5枚綴(前売券・割引あり)、3枚綴(当日券・割引なし)チケットを作成
・参加店はお得感あるセットメニューを設定し、チケット1~2枚で「1ドリンク+フード」を提供する
・各店が手軽なセットメニューを提供することで客の「はしご」を促す
・参加店マップは、女性の興味を引くようにイラスト風にして柔らかい感じを出す
・マップにお店のPR、セットメニュー写真などを掲載してワクワク感を演出する

 

NNS参加店マップの表紙 新津商工会議所提供(以下同じ)

 

前述のように「地域の人たちや当地に通勤・通学する人たち」をターゲットとしているので、PR方法も、秋葉区内のJR駅や観光協会、行政や大学のイベント紹介コーナーにパンフレットやチラシを置くだけの対応としました。あわせてスマホアプリ(SNS)を活用し、あちこちにクチコミでのPRをお願いしています。

ターゲットが限られた地域のイベントゆえ、これがかなりの効果を発揮するようです。多額の費用をかけてマスコミを使った大掛かりな宣伝を行なわなくても、低予算で十分PRできるとのことです。

一方で参加店を紹介するイラストマップの作成にはかなり力を入れました。お店のPRやセットメニューの写真なども掲載するので、マップのできが良くないと地域の人たちに「面白そうだ」、「行ってみよう」と感じてもらえません。そのため、商工会議所がプロカメラマンやデザイナーを手配し、地域の人たちの興味を引くお洒落でインパクトあるマップの作成を目指しました。カメラマンが参加店を巡回して見栄えのする写真を撮影したり、デザイナーがストーリー性を考えたり、さらにマップに掲載するイラストは柔らかく親しみあるものとするなど、様々な工夫を凝らしています(下図参照)。


NNSの運営予算は、商工会議所ほか、新潟市や新津観光協会にも一部の負担をお願いしていますが、相当部分は飲食店から徴収するイベント参加費とチケット販売収益で賄っています。チケットは顧客へ1枚800円で販売する一方、飲食店へは1枚700円で換金することにして、差額が運営費に充当される仕組みです。主催者の費用負担は少なく、飲食店、チケット利用客などの評判も上々な優良イベントに育っているとのことです。

 

イベント参加店の評判も上々!

このイベントは16年、17年と2回開催され、昨年は40店舗の飲食店が参加しました。参加店の意見は、「お客様の増加につながった」、「特に女性などの新しいお客様の開拓ができた」、「お客様の動きが悪い時期なので開催時期はとてもよい」などと概ね好評で、多くの店が「今後も続けて欲しい」としています。店を知ってもらうきっかけを提供し、新しい客層を開拓するとの当初の狙いは十分に達成しているようです。

一方で規模が小さい飲食店では、大勢のグループでこられて対応できなかった、混雑して常連客の対応がおろそかになったなど、今後の課題も挙げられています。商工会議所の担当者は、飲食店、利用客双方の意見や要望を聞きながら、さらに多くの人たちに参加してもらえるよう様々な工夫を加えていきたいとしています。

人手が限られるなか新津商工会議所では、仮装祭では意欲満々の有志たちと、NNSでは飲食店の店主さんたちと連携して、役割を分担しながらイベント運営に務めています。予算についても、協賛金を集めたりチケット販売の一部を運営費に充当するなどで極力自己調達を目指しています。このような工夫により、複数の大きなイベントを同時期に準備して毎年継続することが可能となっているのだと思われます。

本年も10月下旬の仮装祭を皮切りに11月中旬までNNSの開催が予定されています。昨年にもまして賑やかなイベントとなることを期待したいものです。

 

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センター月報2018年11月号の「潮流 県内最新トピックス 第20回」を加除修正しました。