【佐渡市編】新潟県の人口減少問題のポイントとは?

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

本日は、「新潟県の人口減少問題のポイントとは?」の9回目として、現在、金銀山の世界遺産登録が期待されている佐渡市の「国勢調査」を使った年齢別の人口の増減状況についてみていきます。

いつものように、グラフの見方については「ズバッと解説!新潟県の人口減少問題のポイントとは?」をご覧下さい。

 

過去の佐渡市は幅広い年代でUIターンがあり

佐渡市では、平成12年~17年・平成17年~22年の両期間において、「15~19」歳と「20~24」歳合計で2,000人前後が転出超となっている一方で、「25~29」歳で500人前後が転入超となっています。また、平成17年~22年では、「30~34」歳でもわずかではありますが転入超に転じています。

新潟県全体でみると、「25~29」歳の人口増減は、ほぼ±ゼロとなっているなかで、佐渡市は一定の割合で転入する地域と言えます。これは、前回の十日町地域や、魚沼地域などと同様の傾向です(「【十日町地域編】新潟県の人口減少問題のポイントとは?」 「【魚沼地域編】新潟県の人口減少問題のポイントとは?」

しかし、さらにさかのぼって平成7年~12年の期間の増減状況をみてみると、転出入の傾向は直近2期間と同様ながらも、30歳~49歳までの各年代で数十人程度の転入超となっていることが分かります。つまり、従来佐渡市はUIターン志向が非常に強かったものの、年々、それが薄れてきているものと推察されます。

佐渡市の人口増減

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

新潟県

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

 

海士町は若年層の転入超で子ども世代も増加傾向

最近、地方創生の先行事例として、佐渡市と同様の離島の町である海士町(島根県)に注目が集まっています。同町の活性化策の詳細を説明することは割愛しますが、海士町ならではの、または海士町でしかできない活性化策を講じることで、多くの若者や子育て世代の心を捉えた結果、若者世代を中心とした転入超に成功してきたようです。

ちなみに、海士町の転出入の状況をみると、平成12年~17年には「15~19」歳「20~24」歳の除くすべての年代で転入超となっており、特に30~40歳代の子育て世代の転入超幅が大きくなっています。その後の平成17年~22年には、転入超幅が縮小ないしは転出超に転じていますが、子ども世代は増加が続いているほか、「15~19」歳の転出超幅がかなり縮小しています。

以上から、人口減少の問題を改善に向かわせるには、1~2年の期間ではなく、10年・20年といった中長期のスパンで検討していくべきことが分かります。

海士町の人口増減

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

 

交流人口の増加から定着化へ

佐渡市は、古くからの歴史・文化遺産や観光スポット、日本列島の縮図とも言われる自然の豊かさなどに恵まれています。さらには、多種多様な食の宝庫であることや、伝統芸能・伝統工芸が根付いていること、近年はトライアスロンや自転車のロングライドなどの適地なとしても広く内外に知られています。

以上を背景に、ピークからは大幅に減少しているとは言われるものの、佐渡には、年間数十万人もの観光客が訪れています。また、金銀山が世界遺産に登録されれば、さらに増えることでしょう。

この交流人口の絶対数が多いという利点や、近年、佐渡市でも任用に積極的な「地域おこし協力隊」などを活用しながら、定住人口が増加していくことが期待されます。