【新潟市編】新潟県の人口減少問題のポイントとは?

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

本日は、新潟県の人口減少問題のポイントとは?の11回目として新潟市を取り上げます。以下では、新潟市の人口増減の状況について、「国勢調査」を使った年齢別の人口の増減状況についてみていきます。

なお、グラフの見方については「ズバッと解説!新潟県の人口減少問題のポイントとは?」をご覧下さい。

 

新潟市の人口増減の3つの特徴

新潟市の人口増減の状況をみると、大きく3つの特徴に気づきます。

まず1つ目として、新潟市では「15~19」歳の時点で大幅な転入超となっていることです。これは新潟県内の他の地域と決定的に異なっていることです。

例えば、前回掲載した長岡市(「【長岡地域編】新潟県の人口減少問題のポイントとは?」)と比較してみると、長岡市では「15~19」歳の時点で、千人程度の若者が転出超となっています。つまり、新潟市以外の市町村や地域におては、「15~19」歳の時点で、進学・就職などを理由とした転出超となるのが一般的なのに対し、新潟市においては、新潟大学や新潟県立大学など市内に数校ある大学や数多くある専門学校などへの進学などを主たる理由とした転入超となっていると考えられます。

2つ目は、新潟市では「20~24」歳及び「25~29」歳の時点では大幅な転出超となっていることです。これも新潟県内の他の地域と決定的に異なっていることです。

他の市町村や地域でも、「20~24」歳及び「25~29」歳の時点で転出超となる所が大半ですが、「20~24」歳で転出超のピークを迎え、「25~29」歳の転出超は縮まるか、場合によっては転入超となる所もあります。その一方で、新潟市においては、「20~24」歳の進学期や「25~29」歳の就職期において、大幅な転出超が続く状況となっています。つまり、市内にとどまる、またはUIターンしてくる若者の数を上回る人たちが市外に流出しているものとみられます。

3つ目は、「30~34」歳~「40~44」歳の年代で転入超になっていることと、それに伴い「5~9」歳及び「10~14」歳の時点で転入超となっていることです。これは、「30~34」歳~「40~44」歳の年代でのUターンや、新潟県内の周辺市町村からの流入が背景にあると考えられます。

 

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

 

長岡市の人口増減

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

 

新潟県

▲図をクリックすると、鮮明に見えます。

 

UIターン策の促進と周辺市町村と一体となった人口流入を

以上でみたように、新潟市においては、進学期の若者を引き込む力がある一方で、就職期を中心に「20~24」歳及び「25~29」歳の2時点で大幅な転出超が常態化しています。このことは裏を返すと、若者に魅力的な雇用の場やUIターンの受け皿を確保できれば、十分に若者世代の人口増を果たしていくことが可能ということだと考えられます。現在、新潟市が進めている農業特区や航空産業の育成などが、軌道に乗り、若者にとっての魅力ある雇用の場が増えていくことが期待されます。

また、子育て世代の転入超がみられることからも分かるように、新潟市は多くの周辺市町村と通勤圏内にあります。したがって、雇用の場の確保や創業支援などに関して、周辺市町村と一体となった取り組みをすすめることで、地域全体での人口流入を進めていくことがますます求められているのではないでしょうか。