3分でわかる!新潟県内の賃金動向

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

最近、生産年齢人口の減少や、景気回復などを背景に新潟県内の有効求人倍率はバブル期以来の高水準となり、人手不足が深刻となっています。

そのような中で、県内企業の人手不足感や、求職者が注目をしている賃金動向についてみていきたいと思います。

 

 

県内企業の人手不足感について

まずは、県内企業が人手不足をどれだけ感じているか、当センターが年2回実施している※「2017年上期新潟県企業動向調査(以下、同調査)」の『雇用BSI(「過剰」-「不足」)」の推移』をみていきたいと思います。

同調査の結果をみると、雇用が「過剰」と回答した企業の割合が3.1%。「不足」と回答した企業の割合が32.7%となっており、「過剰」から「不足」を差し引いた今期の「雇用BSI」は▲29.6となりました。

前期比横ばいとなったものの、人手不足感が強い状況が続いています。継続的に雇用BSIを調査している1993年下期調査からのデータをみると、雇用の不足感は過去最大の水準となっています(今回の調査と同水準だった前回調査を除く)。

また、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、雇用について「ドライバーが不足しており、これ以上の受注は厳しい」(運輸)、「引き合いは多いものの、人材不足のため対応できない状況にある」(サービス他)、「現場作業員の高齢化が進んでいることや、若者の採用難により労働力不足が続いている」(建設)などといった切実な声がありました。

 

雇用BSIの推移(全産業・業種別)

 

県内の業種別所定内給与額の推移

続いて、直近5年間の県内の業種別「所定内給与額の推移」を厚生労働省が調査をしている「賃金構造基本統計調査」によりみていきたいと思います。

「所定内給与額」とは、きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額(残業)を差し引いた金額です。

こちらのグラフをみると、年によって変動はあるものの、県平均とグラフの3業種では概ね横ばいで推移していることがわかります。

 

(資料)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

 

県内の業種別年間賞与額の推移

一方で、県内の業種別「年間賞与額の推移」をみますと、こちらも年によって変動はあるものの、県平均とグラフの3業種では概ね上昇していることがわかります。

特に建設業は調査対象事業所の入れ替わりの要因もあるのかもしれませんが、東京オリンピックに向けた工事や首都圏再開発の受注などが増加したため、業績が好調に推移し5年前に比べて統計上は2倍以上の賞与額となっています。

 

(資料)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

 

東京、全国との比較

さらに、東京と全国の「所定内給与額」と「年間賞与額」の推移をみていきたいと思います。

グラフをみると東京や全国も概ね「所定内給与額」は横ばいで推移しているものの、「年間賞与額」はいずれも上昇していることがわかります。

なお、県内の賃金水準(所定内給与額と年間賞与額)は統計上、東京や全国と比べて差がある状況となっています。

 

(資料)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

 

(資料)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

 

まとめ

県内の業種別賃金の推移をみると、グラフで確認した3業種については、現状、「所定内給与額」はほぼ横ばいの推移となっているものの、「年間賞与額」は概ね上昇していることがわかりました。

また、東京や全国と比べると、方向感は同じものの、給与水準に差があるようです。

今後、生産年齢人口の減少や景気回復などを背景に、一段と人手不足の深刻化が見込まれるため、県内企業の賃上げ状況について注視していきたいです。

 

※調査の概要は以下のとおりとなっております。

1.調査対象  県内事業所 1,000社

2.調査方法     郵送による記名アンケート方式

3.調査時期     2017年5月18日~6月2日

4.回答状況     回答事業所数 702社(製造業 294社 非製造業 408社)

有効回答率  70.2%

詳しくは企業動向調査をご覧ください。