3分で分かる!新潟県の景気動向(2019年6月)


新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。 当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。 当センターが独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、県内の景気動向を分析して判断をおこなっています。 そこで、6月の基調判断を紹介します。

 

書籍 本 感想 景気 経済

 

6月の基調判断:横ばいで推移している県内経済

〇個人消費は緩やかに持ち直している

〇住宅投資と公共投資は持ち直しつつある

〇設備投資と雇用状況は概ね横ばいで推移している

〇生産活動は弱含んでいる

〇総じてみると県内経済は横ばいで推移している

6月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。



2019年上期新潟県企業動向調査 ~業況感は製造業を中心に悪化~

本日は、当センターが年2回実施しております、「2019年上期新潟県企業動向調査(以下、2019年上期調査)」の結果をご紹介します。

アンケート調査の結果をみると、国内需要が堅調であるものの、米中貿易摩擦の影響により海外情勢の不透明感が増していることなどから県内企業の業況感は19年1-3月期、同年4-6月期と2期連続で悪化しました。また、先行きを示す見通しBSIは同年7-9月期、同年10-12月期と、同年4-6月期に比べてさらに悪化が見込まれます。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、「首都圏を中心とした再開発 などを背景に建機の出荷が堅調に推移している」(一般機械)、「ドライバーの労働環境や待遇改善に向け、適正な運賃・料金収受に努めたことで業況は少し改善した」(運輸)といった声がある一方、「中国の景気悪化により業況が悪化した」(電気機械)、「米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題などで需要が減少しており、この先もこの環境が続くと思われる」(輸送機械)といった声が寄せられました。

業況BSI

2019年度の設備投資額は前年度をやや下回る見通しであるものの、概ね横ばいでの推移

つづいて、2019年上期調査の「設備投資」の結果をみると、県内企業の19年度の設備投資額(含む計画)は、18年度実績比4.6%減と前年度をやや下回る見通しであるものの、概ね横ばいでの推移となっています。

業種別にみると、製造業は一部企業で大型投資があった前年度の反動もあり、18年度実績比3.2%減となっています。内訳をみると、その他製造や一般機械などの業種で減少しているものの、輸送機械や窯業・土石などで増加しています。また、非製造業も同7.2%減となっています。建設や卸売などで減少しているのに対して、小売や運輸で増加しています。

さらに、規模別にみると、中堅企業が18年度実績比16.6%減、中小企業が同13.5%減と前年度を下回っている一方で、大企業は同2.9%増と前年度を上回っています。

新潟県 設備投資金額

設備投資の目的

なお、19年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(68.5%)の割合が最も高く、以下「省力化・合理化」(26.8%)、「生産能力増大のための機械・設備導入」(26.0%)などの順となっています。

18年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「既存機械・設備の入れ替え」「技術革新・研究開発・新製品開発」などが上昇した一方、「土地購入」「生産能力増大のための機械・設備導入」「店舗・工場等の新設、増改築」などが低下しました。

新潟県 設備投資の目的

経営上の問題点

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(59.0%)の割合が最も高く、以下「生産・受注・売上不振」(37.8%)、「先行き見通し難」(36.6%)、「仕入価格の上昇」(34.7%)、「競争・競合の激化」(29.1%)などが続いています。

18年下期調査と比べると、「人材不足」「仕入価格の上昇」などの割合が低下したものの、「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」などの割合が上昇しています。

また、業種別でみると、製造業は非製造業に比べて「仕入価格の上昇」や「生産・受注・売上不振」などの割合が高くなっているのに対して、非製造業は製造業に比べて「競争・競合の激化」や「人材不足」などの割合が高くなっています。

新潟県 経営上の問題点

まとめ

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は国内需要が堅調であるものの、米中貿易摩擦の影響から海外情勢の不透明感が増しているほか、製造業を中心にこれまで上昇していた反動もあり、足元では低下しています。

また、経営上の問題点では「生産・受注・売上不振」や「先行き見通し難」などの割合が前回調査(18年下期調査)と比べて上昇していることなどもあり、先行きを示す見通しBSIはさらに悪化することが予想されています。

こうしたなか、米中貿易摩擦による実体経済への影響のほか、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策、イラン情勢の緊迫などによる為替の動向にも注視していく必要があります。

2019年上期新潟県企業動向調査の要領調査概要