3分で分かる!新潟県の景気動向(2019年10月)


新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。

当センターが独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、県内の景気動向を分析して判断をおこなっています。 そこで、9月の基調判断を紹介します。

 

新潟の経済

9月の基調判断:横ばいで推移している県内経済

〇公共投資は持ち直している

〇個人消費は緩やかに持ち直している

〇設備投資と住宅投資は概ね横ばいで推移している

〇生産活動は弱含んでいる

〇総じてみると県内経済は横ばいで推移している

9月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。

~新潟県内の生産活動の動向~

今月は生産活動についてみていきたいと思います。

9月の生産活動の基調判断は「弱含んでいる」と判断しました。 まずは、新潟県が毎月公表している「新潟県鉱工業生産指数(季節調整値)」をみると、7月は前月比0.6%上昇して101.7となっているものの、19年1月をピークに弱含んでいます。

 

新潟県鉱工業指数

~主な業種での生産活動について~

業種別でみると、汎用・生産用・業務用機械や化学は海外からの受注が減少しており、弱い動きとなっています。また、輸送機械は海外で新車販売が低迷していることから、自動車部品などの生産に落ち込みがみられます。一方、金属製品は、作業工具を中心に底堅く推移しており、食料品は、包装米飯や水産練製品などが好調なことから、堅調な動きとなっています。

 

新潟県鉱工業指数(業種別)

~鉱工業在庫循環について~

つづいて、新潟県の「鉱工業在庫循環図(前年比3カ月平均)」の動きをみていきたいと思います。

在庫循環図とは、出荷と在庫の伸び率を比較することにより、景気循環を判断する図です。 在庫循環図では、景気循環に応じて①意図せざる在庫減少局面⇒②在庫積み増し局面⇒③意図せざる在庫増加局面⇒④在庫調整局面という動きとなり、理論上は半時計周りで変化します。

5-7月期の3カ月平均値でみた在庫循環図では、「意図せざる在庫増加局面」にあります。 今後、「在庫調整局面」になるか注視していく必要があります。 なお、県内企業にヒアリングをすると、「中国を中心に海外からの受注が減少しており、先行きが不透明である(工作機械)」、「米中貿易摩擦が長期化する懸念があり、今後の受注動向は不透明である(輸送機械)」といった外需に対する不安などが聞かれます。

 

新潟県在庫循環図

~地域別の国内の輸出について~

それでは、外需の動向を確認するため、財務省が公表している「貿易統計」により、日本国内全体の輸出額をみていきましょう。9月は前年比5.2%減少となっており、10カ月連続で減少しています。

内訳をみると、その他を除く全ての地域で前年と比べて減少しており、特に、中国を含むアジアや米国などの減少が大きく寄与しており、米中貿易摩擦の影響が実態経済にも影響がでてきていることが見受けられます。

 

輸出総額の推移

~まとめ~

県内の生産活動は弱含んでいる状況が続いています。また、国内の輸出状況をみると、10カ月連続で前年割れとなるなど、外需も弱くなっていることが見受けられます。

そのような中で、今後、米中貿易摩擦などの長期化により、さらに外需が落ち込む可能性や、消費増税の実施による消費マインドの落ち込み、台風などの自然災害による実態経済への影響なども考えられるため、それらを注視していく必要があります。