統計データで確認!新車販売台数・自動車保有台数の推移


新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

以前、新設住宅着工戸数の長期的な推移を取り上げた¹ところ、自動車のデータについても調べてほしいとの声をいただきしまた。そこで、本日は新車販売台数と自動車保有台数のデータ²をご紹介したいと思います。

 

車 乗用車 新車

乗用車の新車販売台数の推移

乗用車の新車販売台数(軽乗用車を含む)の推移を長期的にみると、概ね年間400万台前後で推移しており、横ばい圏内での動きとなっています。ただし、近年は景気の波や災害、さらに政府の経済政策の影響から、上下の振れ幅が やや 強くなっています。

新車販売台数の推移・乗用車

例えば、リーマン・ショックが起こった2008年頃から新車販売台数は低下したものの、2009年4月から2010年9月にかけてエコカー補助金が実施されたため、再び上昇しています。

しかし、2011年に東日本大震災が発生したほか、タイで発生した洪水の影響を受けて自動車メーカーの供給が滞ったこともあり、低下に転じます。

その後、2回目のエコカー補助金が2011年12月から2012年9月にかけて実施されたことに加えて、2014年4月の消費税引き上げを前にした駆け込み需要も生まれたため、上昇局面が続きます。

ただし、2014年4月以降は駆け込み需要の反動減、さらには2015年4月の軽自動車税増税、2016年4月に発覚した一部メーカーによる燃費不正問題も重なり、新車販売は低迷します。それでも2017年以降は持ち直しています。

車種別の新車販売台数の推移

乗用車の新車販売台数を車種別にみると、小型車は2000年代前半に比べ減少幅が大きく、近年も低い水準が続いています。また、2015年4月の軽自動車税増税の影響を受けたこともあり、軽乗用車にも勢いがみられません。その一方、普通車は比較的、堅調に推移しています。

普通車・小型車・軽自動車の推移・自動車

月別の新車販売台数の推移

念のため、乗用車の新車販売台数の動きを月別にみると、月による差が大きくなっています。

具体的には、2~3月にかけて山がみられ、続いて9月の販売も大きくなっています。消費者側からみると、新生活に合わせて購入する人が多いのかもしれませんし、販売店側からみると、会社の決算に合わせて販売を強化している影響かもしれません。

新車販売台数の月別の推移

 

自家用乗用車の保有台数の推移

続いて新車販売ではなく、自家用乗用車の保有台数も確認してみます。

自家用乗用車の保有台数を長期的にみると、微増で推移しています。背景には、世帯数が増加し新車販売が堅調に推移する中、乗用車の平均使用年数³が緩やかに伸びていることがあると思われます。

ただし、保有台数の増加よりも、世帯数の増加の方が上回っているため、世帯当たりの普及台数(保有台数)は近年、やや低下しています。2006年がピークとなっており、その後、緩やかな低下傾向が続いています。

乗用車の保有台数と普及台数

乗用車の平均使用年数の推移 

都道府県別の保有台数

保有台数を都道府県別にみると、当然ながら世帯数の多い都道府県で保有台数が概ね多くなっています。

そこで、世帯当たりの普及台数(保有台数)を確認してみると、下の表のとおりとなります。福井県が最も多く、以下、富山県、山形県などが続いています。たまたまからもしれませんが、女性の就業率の高い地域が上位となっています。なお、私たちの会社がある新潟県は第10位です。

一方、 世帯当たりの普及台数(保有台数)が少ない都道府県は 東京都、大阪府などとなっています。交通網が発達している地域では低くなるのかもしれません。

都道府県別の自家用乗用車の保有台数

感想

人口の減少もあり新設住宅着工戸数は長期的に減少傾向をたどっていましたが、乗用車の新車販売は概ね横ばいで推移していることが確認できました。

データで確認する前は人口減少に加え、若者の車離れが話題にのぼる時もあるので、「もしかしたら、緩やかに減少しているでは…」と勝手な予想をしていました。そのため今回、自分の目で確かめることができて良い機会となりました。思い込みではなく、データで確認することの大切さを学んだ気がします。

なお、新潟県の動向については、「新潟県の新車新規登録・届出台数の長期時系列の推移(新潟県の景気動向2019年4月)」でまとめていますので、興味のある方はご覧ください。

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¹ 「統計データで確認!新設住宅着工戸数の長期時系列推移と都道府県別ランキング(2018年)

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² 今回の投稿では、以下の資料を活用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

資料:

一般社団法人日本自動車販売協会連合会 「統計データ」
http://www.jada.or.jp/data/

一般社団法人 日本自動車工業会「自動車統計月報」
http://www.jama.or.jp/stats/m_report/index.html

一般社団法人 全国軽自動車協会連合会「統計資料」
https://www.zenkeijikyo.or.jp/statistics

一般財団法人 自動車検査登録情報協会  「統計情報」
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/index.html

 軽自動車検査協会「統計情報」
https://www.keikenkyo.or.jp/information/
information_m_000028.html

また、投稿をまとめる際には、以下の文献等を参考とさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

資料:

経済産業省「エコカー補助金制度の実施期以降の販売台数の動きは、実は三車種三様」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/
report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20160726hitokoto.html

原麻衣子「2019年下期の国内自動車市場の展望」
『自動車販売』2019年6月号 pp.2-7
http://www.jada.or.jp/wp-content/
uploads/6128e4f539d003d66f5b4c43ed78cf03.pdf

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³ 「平均使用年数」とは、一般財団法人 自動車検査登録情報協会によると、「初度登録年度ごとに1年前の保有台数と比較し、減少した車両を1年間に抹消された車両とみなして、国内で新規(新車)登録されてから抹消登録するまでの平均年数を算出している。ただし、減少台数には一時抹消も含まれるため、自動車が完全にスクラップされるまでの期間とは若干異なる。算出には、1年間での保有台数の減少台数を経過年係数で加重平均した。」と説明されています。