統計データで確認!新設住宅着工戸数の長期時系列推移と都道府県別ランキング(2018年)

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

毎月、景気に関する各種指標が公表されます。その際、前年や前月の数値と比べながら、その動向を確認します。したがって、短期的な動きに一喜一憂しがちなので、短期的な視点と長期的な視点のバランスをとるように心がけています。

そこで、本日は新設住宅着工戸数を例に取り上げて、短期と長期の双方をみることの大切さについて確認したいと思います。

 

住宅街、新築、家

 

短期的にみた場合の新潟県内の新設住宅着工戸数

まずは、短期的にみた場合の持家・貸家・給与住宅・分譲住宅を合わせた新潟県内の新設住宅着工戸数をみてみましょう。以前にもお伝えしているのですが、下のグラフのとおり、県内の新設住宅着工戸数は上下の振れを伴いながらも昨年の春頃に比べれば、やや持ち直しつつある状況とみられます。

 

 

長期的にみた場合の新潟県内の新設住宅着戸数

一方、長期的にみた場合はどうでしょうか。下のグラフをみると、1988年の30,047戸をピークに減少傾向にあると思われます。2018年が11,672戸となっていますので、ピークに比べ約40%の水準にとどまっています。

ただし、この10年に限ればリーマン・ショック(2008年9月15日)後の2009年を基準にすると、ほぼ横ばいで推移しています。

 

 

全国における新設住宅着工戸数の長期時系列データ

参考までに、全国における新設住宅着工戸数も長期時系列で確認してみましょう。下のグラフのとおり、新潟県と同様に、全国の新設住宅着工戸数も長期的には減少傾向をたどっています。高度成長期の1973年が約191万戸と最も多く、それ以降やや停滞しますが、1988年~1996年にかけて再び盛り上がった後、現在まで概ね減少傾向で推移しています。

ただし、この10年間に限れば、景気の緩やかな回復や災害からの復旧などもあり、やや増加傾向で推移しています。2009年を基準にすると、熊本県、宮城県、岩手県、沖縄県、鳥取県、福岡県などで特に増加しています。したがって先程、ご紹介した新潟県とは様相がやや異なっており、地域間での差がうかがわれます。

 

新設住宅着工戸数・長期時系列

 

新設住宅着工戸数の地域別ランキング

新設住宅着工戸数は全国の各地域によって差がみうけられることから、念のため、2018年の新設住宅着工戸数を都道府県別に調べた結果が以下の表です。

最も戸数の多い都道府県は東京都で、以下、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県、千葉県、福岡県、北海道などが続いています。

このうち、全国の戸数に占める東京の戸数の割合を詳しくみると、持家は全国の5.6%を占めるにとどまるものの、マンションを含む分譲住宅が21.2%、貸家が18.6%、いわゆる社宅や官舎などが含まれる給与住宅が14.6%に達しており、「東京らしさ」が感じられる結果となっています。一方、愛知県の持家は東京都を上回り、日本一の戸数となっています。

なお、私たちの会社がある新潟県の新設住宅着工戸数は22位と中位に位置してます。

 

 

都道府県別新設住宅着工戸数・ランキング

 

感想

短期と長期の統計を比べると、その動向が異なることが改めて確認できました。統計はどこと比較するのかによって、見え方が大きく変わりますので、気を付けたいものです。

なお、長期時系列のデータは①そもそもどこのWebsiteに掲載されているのか?を把握するのが難しい、また②データが掲載されている場所を把握しても、自分の意図する方向にデータを加工・グラフ化するのに移動・並び替えなど操作の手間がかかる、といった特徴があります。したがって、短期的なデータに比べて取り扱いにくいものです。ただし、その分、有意義な知見を得られる場合もあるため、面倒くさがらず、今回のように時折、確認していきたいと思っています。