新潟県内における新規学卒者を対象とした正社員の採用活動に関するアンケート調査

 

新潟経済社会リサーチセンターの久住です。

学生優位の売り手市場といわれるなか、「新規学卒者の採用に苦労している」といった声を聞く機会が多くなっています。そこで、新規学卒者(高校や大学、専門学校など)を対象とした正社員の採用活動の実態を把握するために、新潟県内企業1,000社(有効回答644社)を対象に2018年5月にアンケート調査をおこないました。

本日はその結果の一部をご紹介いたします。

 

新入社員 就職

 

正社員の採用状況

2017年度の1年間で正社員(18年4月入社)の「採用活動を行なった」企業に対して、その採用状況を尋ねてみると、「予定の人数を上回った」と回答した割合が6.5%、「予定どおりの人数だった」が35.9%となり、これらを合わせた『予定以上の人数だった』の割合は42.4%となりました。一方、「予定していた人数を下回った」と回答した割合は54.9%でした。

規模別にみると、「予定していた人数を下回った」の割合が大企業で34.4%、中堅企業で57.5%、中小企業で56.7%となりました。大企業では3割以上、中堅企業や中小企業では半数以上が予定の採用人数に達しておらず、新規学卒者を対象とした正社員の採用が難しい状況であることがうかがえます。

 

正社員の採用状況

▲正社員の採用状況

 

採用活動で取り組んだこと

新規学卒者を対象とした正社員の採用活動で取り組んだことを尋ねたところ(複数回答)、「学校との関係を強化した」(44.9%)と「インターンシップを実施した」(44.3%)の割合が特に高い割合となりました。

 

採用活動で取り組んだこと

▲採用活動で取り組んだこと

 

具体的には、「大学の教授との接点を活かし、大学のゼミで学生と自社商品を使ったメニュー作りを実施したところ、そのゼミの学生の採用につながった」(食料品)、「学校の授業の一環として当社を見学するカリキュラムを設けている」(サービス他)といった声や、「インターンシップを2日間の体験型にすることで他社との差別化を図り、主に製造業を志す学生の志望意欲を高めることができた」(その他製造)、「インターンシップの回数を増やし当社を良く知ってもらうことで応募者が増えた」(建設)との声もあげられました。

これを採用状況別にみると、採用が『予定以上の人数だった』先では「予定していた人数を下回った」先に比べて、「学校との関係を強化した」「インターンシップを実施した」「内定後のフォローを強化した」の割合が高くなっています。

 

採用活動で取り組んだこと(採用状況別)

▲採用活動で取り組んだこと(採用状況別)

 

採用活動における課題

新規学卒者を対象とした正社員の採用活動における課題を尋ねたところ(複数回答)、「学生に会社が知られていない」(58.1%)と回答した割合が半数を超えて最も高くなりました。以下「採用基準に見合う学生を確保できない」(34.1%)、「学生の望む労働条件と合わない」(26.2%)などが続いています。

 

採用活動における課題

▲採用活動における課題

 

このうち「学生に会社が知られていない」と課題をあげた先のなかには、「学生との接点を多くするために自社説明会を増やした」(建設)などの学生との出会う場を増やす取り組みや、「従業員の友人・知人、親戚などの紹介制度を設けている」(小売)といった友人・知人の繋がりを活用する工夫などがみられました。

 

感想

今回のアンケート調査をみると、新規学卒者の採用活動を行なった先のうち、採用が「予定していた人数を下回った」と回答した割合が半数を超えるなど、採用活動が難しい状況にあることがうかがわれる結果となりました。

こうしたなか、採用が『予定以上の人数だった』と回答した先の取り組みをみると、「予定していた人数を下回った」先に比べて、「学校との関係を強化した」「インターンシップを実施した」といった、企業と学校・学生との繋がりを強くする取り組みに違いがみられました。

さらに、その内容も詳しくみると「インターンシップを2日間の体験型にすることで他社との差別化を図る」「インターンシップの回数を増やし当社を良く知ってもらう」などのインターンシップの効果を高める工夫や、「大学の教授との接点を活かし、大学のゼミで学生と自社商品を使ったメニュー作りを実施した」「学校の授業の一環として当社を見学するカリキュラムを設けている」などの合同研究や校外授業を実施することで学校との関係を強化するための工夫がみられ、こういった工夫の積み重ねが大切であると感じました。

その一方で、自由回答に寄せられた声のなかには、「既存の社員の満足感などを高めることが重要」「労働環境の改善と待遇の向上を図り魅力ある職場作りを進める以外に解決策は無い」などの意見もあり、学生へのアピールだけでなく、魅力ある会社作りも欠かせないと思われます。

 

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調査の要領は下記のとおりです。

 

調査の要領

 

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※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2018年8月号」をご覧ください。

 

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※当センターでは、新潟県内の自治体・商工会議所・商工会・各種団体・企業様のご依頼にお応えし、アンケート調査のほか、産業振興計画の策定、各種経済波及効果など様々なテーマの調査業務などをお引き受けしております。

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なお、詳しくは「新潟県内でのアンケート調査等のご依頼・ご相談について」のページをご参照下さい。