国民文化祭が開催されています


新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

現在、新潟県では「第34回国民文化祭・にいがた2019 第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」が開催されています(会期:2019年9月15日~2019年11月30日)。9月16日には天皇皇后両陛下のご臨席のもと、新潟市の朱鷺メッセで開会式が行なわれたことから、新潟県内で国民文化祭が開催されていることについてご存知の方も多いことと思います。

その一方で「そもそも国民文化祭って、何?」と思われている方も多いのではないでしょうか。今回は、国民文化祭の概要や開催による効果などについてご紹介したいと思います。


絵の具 文化 芸術 アート

 

国民文化祭とは

文化庁のホームページ(http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/chiiki/kokubunsai/)によると、

国民文化祭は,観光,まちづくり,国際交流,福祉,教育,産業その他の各関連分野における施策と有機的に連携しつつ,地域の文化資源等の特色を生かした文化の祭典であり,各種の文化活動を全国規模で発表,共演,交流する場を提供するとともに,文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承,発展及び創造に活用し,一層の芸術文化の振興に寄与するものです

とあります。

つまり、全国各地で行なわれている様々な文化活動について、発表・共演・交流できる場を全国規模で広く国民に提供することで、国民の文化芸術活動への参加を促進するとともに、文化の発展や新たな創造を促すことを目的としています。また、この文化祭の開催により、国内外の人たちが交流を深めることで、交流活動の活発化や新たな文化の創造なども期待できるものです。そして、全国規模で開催されることから、「文化の国体」と呼ばれることもあるようです。

今回の新潟開催は34回目

1986年に東京都で第1回目が開催されて以来、今回の新潟県の開催は34回目となります。開催地は全国の都道府県の持ち回りで行なわれています。そのうち大分県と徳島県のみ過去に2回ずつ開催地となっていますが、新潟県を含む30都府県はそれぞれ1回の開催となっています。これまでのところ、北海道や大阪府、長野県などの15道府県で未開催となっていますが、来年は九州の宮崎県、再来年は和歌山県が開催内定地となっています。

今回の新潟県開催では、県内を7エリアに分け、7エリアの各市町村で様々な文化芸術に関わるイベントや展示会等の事業が行なわれています。

国民文化祭開催地

近年は47都道府県が参加。100万人を超える観客数

文化庁の資料をみると、国民文化祭は回を重ねるごとに主催事業数や観客数なども増勢基調にあることがわかります。特に観客数については、各回の会期日数や事業数の違いがあることから単純な比較はできませんが、第1回~第10回前後までは、概ね100万人を下回る観客数であったものが、近年は100万人を越えるのが一般的となっています。なかには200万人~400万人を超える回もあります。

同時に近年は、47都道府県すべてが参加しており、国民文化祭が文字通り国民全体に浸透してきている様子がうかがえます。

開催地の経済効果は100億円超も

前回開催地である大分県の公式記録をみると、主な成果として「新しい文化の創造・展開と次代を担う人材の育成」および「カルチャーツーリズムによる地域活性化」など国民文化祭を通じた新しい文化の創造や文化芸術活動の裾野の拡大、人材育成、地域の活性化などが挙げられています。また、同時開催された全国障害者芸術・文化祭により「障がい者への理解と社会参加の促進」にもつながったとしています。国民文化祭の開催趣旨を達成していることはもちろんのこと、各地の地域活性化にもつながっていることがうかがえます。

そして、この地域の活性化を定量的に示すものの一つとして、経済波及効果を推計している開催地が多くなっています。近年の開催地の推計結果をみると100億円を超える所がほとんどとなっており、開催地では相応の経済効果も見込めることがわかります。

感想

私自身、これまで国民文化祭についてはほとんど知りませんでしたが、着実に回を重ねるなかで、国民の文化振興に寄与・浸透していることを理解することができました。同時に、一定の経済効果が生まれることから、文化芸術の面のみならず経済的な面からも地域活性化に起点になっているようです。

また、どこか1か所を会場に行なわれるわけではなく、今回の新潟県開催では県内各地で、その地域の特徴に合わせた催しやイベントが行なわれることから、自分の身近な所で参加できる機会があることがわかりました。季節は行楽の秋、文化の秋を迎え、10月からは観光振興の大型企画である「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン」も始まっています。身近な催しやイベントに気軽に参加しながら、新潟県の文化や観光の再発見につなげる機会にしたいと思いました。