3分でわかる!新潟県の地価調査(2019)


新潟経済社会リサーチセンターの近です。

新潟県が2019年9月に県内の地価調査地点540地点の地価調査を発表しました。「地価調査」とは、都道府県が 毎年7月1日現在で基準地の価格調査を実施し、その結果を公表しているものです。本日はこの地価調査の結果についてご紹介します。

 

 

県内の地価下落幅は8年連続で前年から縮小

2019年の新潟県の地価は、全用途平均で前年比▲0.8%となりました。1996年以来 24年連続で下落しているものの、2012年以降、8年連続で下落幅は縮小しています。

価格が上昇した地点は85地点と、前年の71地点から約1.2倍に増加しました。 こうした状況から、県内の地価は概ね下げ止まりつつあるとみられます。

また、 今回の調査では新潟市内だけでなく、長岡市、三条市、燕市でも上昇に転じた地点が出てきたほか、すべての市町村(全用途)において下落幅の拡大がみられなかったことをみると、地価の下げ止まりの傾向が広がりをみせていることがうかがえます。

ただし、 全国の地価をみてみると、全用途平均で前年比+0.4%と2年連続で上昇しており、全国と比べて県内の地価は改善に遅れがみられます。

新潟 地価動向

工業地は22年ぶりに上昇

今回の地価調査の特徴としては、工業地が22年ぶりに上昇に転じた点が挙げられます。

要因として、2018年に県内経済の持ち直し基調を牽引した製造業の好調さがあったことが考えられます。18年は受注増加への対応などの目的で工場などの新設が相次ぎました。「平成30年工場立地動向調査(速報)」によると、新潟県の 工場立地件数は42件と全国7位、立地面積についても全国7位となっており、いずれも前年を大きく上回ったことなどから工業地全体の地価が上昇したとみられます。

2018年の立地動向

新潟駅周辺の再開発の影響は?

今回の調査結果によると、 商業地の変動率上位地点の上位5位はすべて中央区、特に新潟駅周辺の地点 となっています。

新潟駅を中心とした再開発事業については、2019年5月に新潟駅の南北をつなぐ「新潟鳥屋野線」が開通されるなど、駅周辺整備が進んでいます。また、18年11月には万代シティ中心部のリニューアル計画が発表され工事が開始されているなど、新潟駅を中心に利便性や集客力の向上への更なる期待が高まっていることが要因だと思われます。 再開発計画は徐々に実現されてきており、期待感を背景とした地価の上昇は続いているようです。

まとめ

県内の地価は下げ止まりつつあり、その傾向は全県的に広がりをみせています。

ただし、 新潟県は1998年以来21年連続して人口が減少しており、今後地価の大幅な上昇は難しいと考えられます。

また、足元では製造業を中心に弱い動きがみえており、県内経済は緩やかな持ち直しから横ばい圏内での推移に変化しつつあります。今後、海外経済の減速が加速し、県内経済にも影響が波及することになれば、需要が減退し地価が再び下落基調となることも考えられます。