これで解決!旅館における人手不足の対策とは…

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

今や多くの自治体が「交流人口の増加」を目指し、観光振興に力を入れる時代となりました。

その一方で、受け入れ側となる観光地では現在、深刻な人材不足に直面しており、悲鳴にも近い声も聞かれています。

こうした中、私どもの機関誌「センター月報7月号」では、観光地での人材確保に向けた新たな仕組みをいくつか提案しています。執筆は毎月、連載をお願いしている井門観光研究所の井門隆夫先生です。

 

観光地の人材不足

 

旅館業での人材確保に向けて

井門先生は人材を確保するために、①インターンシップの有効活用、②海外での人材育成、そして次のような③東京での会社設立の提案をされています。

 

複数旅館が共同で東京に本社を設置することを勧めたい。複数旅館の資本を統合したホールディングスが望ましいが、一種のボランタリーチェーンの本部としてもよい。

集客のメソッドや企画は商圏である東京サイドで決める。以前、団体営業を代行する総合案内所があった(現在もある)が、営業からさらに踏み込み、営業企画や運営支援、そして新規採用も一手に引き受けるのだ。社長は、旅館経営者が交替でやればよい。

今後、旅館は大手企業によるチェーン化が進む。独立した地方の企業がそれに対抗するには、こうした手法しかないと思う。

そして、新卒採用もここで引き受ける。地方旅館とは、一種のベンチャー企業である。新入社員はしばらくベンチャー企業を活性化するノウハウを積み、東京のエキスをうんと吸ったうえで旅館に赴任し、活躍するのだ。

本部は、外国人向けのゲストハウスも兼ね、若い人たちだけで運営させ、そこで日常的に英語にも触れるようにする。若い人が地方に就職しないのであれば、「都会」に就職する手法を考えればよいと思う。

いずれ家族を持つようになると、地方に住み、働くほうがよくなるはずだ。

井門隆夫(2015)「地域観光事業のススメ方第64回」『センター月報』2015年7月号

 

読み終えて

なかなか思い切った提案ですよね。ただ、このような抜本的な対策に取り組まない限り、観光地での人材不足は解消されないのかもしれません。

なお、都内ではありませんが、新潟県内では旅館経営者3名が共同で「雪国食文化研究所」という会社を設立し、魚沼地方で複数の飲食店を経営しているほか、各種の広報活動に取り組んでいらっしゃいます。

したがって、いずれ、井門先生が提案された通り、複数の旅館が出資するボランタリーチェーンのような取り組みが都内で生まれる可能性もあるのでは…と感じます。