深刻さを増す人手不足

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。今回は、深刻さを増す人手不足の現状と先行きについて、ご紹介いたします。

人手不足



人手不足の現状

人材・人手不足が、企業経営にマイナスの影響を与え始めていることについては「人手不足解消の一つとしての採用手段見直しの必要性」にてご紹介したところです。そのようななか、今後の人手不足の動向が気になるところですが、それについてまとめた各種レポートをみると、非常に厳しい見通しが示されています。

厚生労働省「雇用動向調査」の結果をみると、2017年の人手不足の人数(欠員数)を121万人に上り、続く18年の人手不足の人数は136万人と、17年から18年の1年間で15万人も増加しています。また、09年以降、年々増加している様子が分かります。



2030年の人手不足の人数は足元の約5倍

パーソル総合研究所と中央大学が共同で発表した「労働市場の未来推計2030」(以下、同レポート)によると、30年までの人手不足の人数を推計しており、20年には、384万人、25年には505万人、30年には644万人と推計しています。30年の不足数(644万人)は、足元(18年)の136万人の約5倍にもなります。同レポートでは、この人手不足への対応策として、「働く女性を増やす」(102万人)、「働くシニアを増やす」(163万人)、「働く外国人を増やす」(81万人)、「生産性を上げる」(298万人)の4つの解決方策を提示しています。

現在、国の主導で進められている「働き方改革」で掲げられているように、今後は女性やシニア、外国人などの多様な働き手の労働市場への参入促進はもちろんのこと、生産性の向上がますます求められていくことが推察されます。

2030年の新潟県の人手不足数は▲10万人

同レポートでは、前掲の2030年の人手不足数(644万人)について、都道府県別の推計も行なっています。これをみると、新潟県の不足数は▲10万人と47都道府県中27番目で、ほぼ中位なっています。不足数が多い首都圏や中京圏、関西圏の都府県に比べると不足数は少ないですが、群馬県や富山県、山形県などの近県に比べると不足数は多くなっています。


なお、弊社が18年11月に実施した「企業動向調査」の結果をみると、正社員の充足状況に関する雇用BSI(「過剰」-「不足」)は、全産業で▲ 41.5となり、継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来、最も低い水準となりました。また業種別にみると、製造業は▲33.0、非製造業は▲47.3と、特に非製造業での不足感が強くなっています。


いずれにせよ新潟県内においては、足元の不足感が、今後ますます高まっていくものとみられます。

▲雇用BSIの推移


一方、内閣府「県民経済計算」をもとに労働生産性(県内総生産÷就業者数、2006年~15年の平均)を都道府県別に算出すると、新潟県の労働生産性は7.14百万円と全国30位で、中位をやや下回ります。新潟県においては、労働生産性向上の余地があるようです。



まとめ

同レポートでは、30年の人手不足数(644万人)に対し、「生産性を上げる」(298万人)ことでの対応が約5割を占めることが示されています。つまり、今後の人手不足への対応としては、生産性の向上が大きなカギをにぎっているものとみられます。日々、労働生産性の向上を図ることに努めながら、来るべき人手不足への対応を進めていくことが必要とみられます。