県内就職率の低下と、東京都の有効求人倍率の関連性

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

新潟労働局の発表によると、新潟県内の大学等(短大、高専、専修等を含む)を卒業した学生の県内就職率が2年連続で6割を下回り、この10年間「では最も低い水準となりました。 新潟県内では依然として人手不足感が強いなか、主に東京都などの関東圏を中心とした県外への就職が増え、県内就職率が低下しています。そこで、今回は新潟県と東京都の有効求人倍率の推移や、県内就職率の推移などを確認してみたいと思います。

 

 

 

新潟県も東京都も有効求人倍率は上昇傾向

新潟労働局「一般職業紹介状況」によると、「新潟県の有効求人倍率」は2009年を底に上昇傾向が続き、18年には1.70倍まで上昇しています(図表1)。同じく、東京労働局「職業安定業務統計」によると、「東京都の有効求人倍率」は10年を底に上昇傾向となり、18年には2.13倍となっています。なお、新潟県と東京都の有効求人倍率の差は11年以降拡大し16年に0.70と最大となりました。ただし、足元では17年に0.58、18年に0.43となり、差は縮小しています。

 

新潟県と東京都の有効求人倍率の推移

図表1.新潟県と東京都の有効求人倍率の推移

 

 

東京都の有効求人倍率が高まるほど、県内就職率は低下する

一方、県内学生の「県内就職率」の推移をみると、この7年間、低下傾向が続き、18年には57.0%まで低下しています(図表2)。

そこで、「県内就職率」と「東京都の有効求人倍率」の相関係数※を算出すると▲0.732となりました。つまり、「県内就職率」は「東京都の有効求人倍率」と関連性が強く、「東京都の有効求人倍率」が上昇すると、「県内就職率」は低下する傾向にあるとみることができます。

※相関係数とは、2つの値の関連性を示す数値。数値が1に近づくほど関連性が強く、0に近づくほど関連性が弱いとみる。-1.0~1.0の範囲に値を取り、正の相関では相関係数が1に近く、負の相関では、相関係数が-1に近い値になる。

 

「県内就職率」と「東京都の有効求人倍率」の推移

図表2.「県内就職率」と「東京都の有効求人倍率」の推移

 

まとめ

当然ながら県内学生の「県内就職率」は「東京都の有効求人倍率」との関連性が強いようです。東京都の有効求人倍率がこのまま高い状況が続くならば、関東圏などの県外に就職する学生の割合は高い水準を継続し、県内就職率の低迷の長期化が懸念されます。

今後の新卒採用の動向については、新潟県内の有効求人倍率だけでなく、東京都などの首都圏の有効求人倍率の動向にも注視する必要がありそうです。