事業承継に関する気になる数字

 

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

最近、中小企業・小規模事業者の事業承継に関する話を耳にする機会が多くなりました。このブログの「新潟県における事業承継の現状と好事例 その1」や 「新潟県における事業承継の現状と好事例 その2」などでも、最近の企業・事業者の代表者の高齢化の実態や、新潟県内においても後継者が決まっていない企業・事業者が相応に存在していることについて説明しています。

 

 

「後継者が決まっていない」企業・事業者は全体の4分の1

具体的に「新潟県における事業承継の現状と好事例 その1」で紹介している弊社実施のアンケート調査の結果をみると、代表者が「60歳代」および「70歳代以上」の企業・事業者のうち、それぞれ24.6%および26.1%が「事業承継を予定しているが、後継者が決まっていない」としています。さらには、それぞれ26.6%および18.8%が「事業承継は当面予定していない」としています。現在の代表者が、年齢的に代替わりを考えても良い年代に差し掛かっていながらも、事業承継に向けた動きが具体的に進められていない企業・事業者が一定数存在していることが伺われる結果です。

 

気になる781件という数字

こうした中、事業承継に関連して気になる数字を見つけました。それは「781」です。2016年に新潟県で起きた、ある事象の件数です。何の件数かお分かりになりますか?

答えは、2016年に新潟県内で起きた「休廃業・解散」の件数で、株式会社帝国データバンクが調べた結果によるものです。同社によると、ここでの「休廃業・解散」とは、「企業活動停止が確認できた企業のなかで、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース」のことであり、いわゆる業績悪化による倒産は含まれていません。

この数字で気になることは大きく2つあります。1つは、同社が2003年に調査を開始以降、最多になったということです。2010年代前半までは「休廃業・解散」の件数は、各年とも概ね500件台で推移していたようです。しかし、2013年に707件となり、2014~15年には600件前後に減少しましたが、2016年に大幅に増加の781件となり、過去最多に至ったようです。

もう1つが、「休廃業・解散率」(休廃業・解散件数÷全企業数)が全国トップとなったことです。また、休廃業・解散件数を倒産件数で除した倍率は約11.3倍で、全国の約3.1倍を大きく上回っています。このことから、業績悪化が主たる要因ではない休廃業・解散が、全国に比べて新潟県内で多発していることが推察されます。

 

事業引継支援センターの活用を

以上の休廃業・解散は、すべてが後継者難によるものではないかもしれません。しかし、最終的には次代に継承されることなく、休廃業・解散を余儀なくされた結果とみることもできます。一方、これらの中には、有益な人材やノウハウ、取引先などを抱えておられた企業・事業者が含まれていると思われます。何らかの仲立ちがあれば、従業者の皆さんやノウハウなどが、別の企業・事業者に引き継がれ、元の企業・事業者はなくなっても、残されるべきものが継承されたかもしれません。

その仲立ち役を担う存在として県内には「新潟県事業引継支援センター」が設置されています。休廃業・解散に追い込まれる企業・事業者には、各社各様の事情があり、第3者に知られたくないこともあると思われます。同センターでは、相談無料・秘密厳守で対応して下さいます。同センターでは、既に年間10件以上の成約件数があるとのことです。少しでも、事業の継続・承継に悩みや不安を感じていることがある方は、同センターに相談されることが解決の近道であると思われます。