開業率低迷の背景は?


新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

先ごろ、株式会社帝国データバンクから発表された「新潟県『休廃業・解散』動向調査(2018年)」によると、2018年に新潟県内で「休廃業・解散」した企業(個人事業主含む)は677件となっています。また、前年と比べると、2017年の744件から67件減少しています。

 

新潟県の「休廃業・解散率」は高水準

しかし、「休廃業・解散率」(休廃業・解散件数÷株式会社帝国データバンクのCOSMOS2収録社数)は2.08%と、全国的(全国:1.57%)にみて 高水準にあり、全国ワースト2位となっています。ちなみに2016年・2017年とも、新潟県のこの比率は全国ワースト1位でした。2018年は1つ順位は下がりましたが、依然として新潟県における企業の 「休廃業・解散」が多い様子がうかがえます。

開業率も低迷

一方、新潟県においては、休廃業や解散が多いことに加え、開業率も低いと言われています。厚生労働省「雇用保険事業年報」をもとにして開業率を算出すると、最近5年間の新潟県の開業率は3%台で、4%台後半~5%台である全国の水準から1~2ポイント程度下回っています。また、都道府県別の順位でみると、3年連続でワースト2位が続いています。

 

開業率一覧表

 

開業率と経済成長率の関係をみてみると

各都道府県の開業率の高低の背景には、人口や経済規模、産業構造など様々な要因があるとみられます。そのようななかで、重要な要因の一つとして、各都道府県の経済成長率の高低があると考えられます。そこで、2009年(度)~2015年(度)の各都道府県の県内総生産の成長率(前年比)の平均と各都道府県の開業率の平均をプロットしたものが下の図です。この図をみると、非常に緩やかではありますが、経済成長率が高いほど開業率が高い傾向があるようにみえます。経済成長率が高い都道府県では、 新たに開業を目指す人にとって、 自分の事業も成長することができるという期待を持てるのかもしれません。

まとめ

繰り返しになりますが、開業率の高低の背景には、様々な要因があることは間違いありません。したがって、何か一つの要因を改善すれば、開業率が高まるということはないとみられます。

一方、自分の暮らす街が成長することに期待を持てることは、そこで暮らす人にとって大切なことなのだと思われます。人口減や少子高齢化などの逆風下にはありますが、着実に地域の経済成長を果たしていくことで、開業率の向上につながっていくのではないでしょうか?