新潟県内におけるIoT活用の現状と導入ポイント

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

今回は、最近話題となっている「IoT」について新潟県の現状をふまえて紹介します。

詳しくは「センター月報6月号 自主調査 県内におけるIoT活用の現状と導入ポイント」をご覧いただきたいのですが、本日はこのレポートのポイントをお伝えいたします。

 

IOT 新潟

 

IoTとは

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、あらゆる「モノ」がインターネットにつながり情報のやり取りをすることで、「モノ」のデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すことをいいます。

これまで、インターネット上の情報は、人間がパソコンや携帯端末に入力した情報を基本としていましたが、IoTでは「モノ」の情報がセンサー等で自動的に収集され、インターネットにより、情報を発信するようになりました。その後、蓄積されたデータは人間もしくはコンピューターが分析し、IoT利用者に通知され、情報として活用されます。

 

県内におけるIoTの現状

県内では、IoTという言葉が使われ始めた段階となっていますが、最近、実証的にIoTを開発、導入する事例がみられるようになってきました。対象分野は製造業、建設業、農業と幅広い産業の現場でIoTの実証実験が行われている様子がうかがえます。

 

▲県内での主なIoT開発、導入状況

 

こうした中、既に先行してIoTを活用している県内企業を2社ご紹介いたします。

 

県内における事例紹介① エヌ・エス・エス株式会社

導入の背景:短納期を求める顧客が増えるなか、当社の平均製造期間が同業他社に比べて長くなっていました。

導入の内容:IoTを活用した新しい生産管理システムを導入して作業を標準化しました。さらに、加工機内に計測装置を取り付け、得られたデータを品質保証部門と共有する仕組みを構築しました。

導入の効果:作業の標準化が進み、作業員のスキルに関係なく誰でも過去に作成したプログラムを利用できるようになり、短時間で生産ができるようになりました。

今後の展望:IoTの導入効果を高めていき、生産性の向上や効率化を進め、納期やコストに高いレベルを求められる自動車関連の工作機械メーカーからの受注増加を目指しています。

 

県内における事例紹介② 株式会社トラステック

導入の背景:経営課題に直結する情報を整理、保存し、全社員で共有できる仕組みをつくったことにより業績が回復したため、社内情報を標準化し共有できるような製品開発を目指しました。

導入の内容:営業担当者が持っているスマホのGPS機能を利用して、営業担当者が「いつ」「どこに」いたのかの行動記録を保存し、営業担当者が活用できるようにしました。

導入の効果:営業担当者自身が客観的に移動時間をみられるようになり、お客様との面談時間が増え、売上高アップにつながりました。

今後の展望:営業部門以外の行動も記録し、その情報を活用できるようにして、一人ひとりが経営課題を実感し解決策を考えられるような仕組みをさらに進める予定です。

 

まとめ

県内企業によるIoT導入は、ようやく実証実験がされ始めた段階となっています。IoTというと難解かつ抽象的で大手企業のみ関係があるものと捉えがちですが、実は経営課題を解決するための一つの手段となっています。

IoTは既に多くの中小企業でも導入されているクラウドサーバやアプリケーションを用いて低コストで導入しやすい環境となっているため、中小企業こそIoTを利用し、経営課題の解決や、ビジネスを広げるチャンスとして積極的に導入していただければと思います。