面接の際に参考となる書籍~『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』の感想~

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

本日は、近々、面接を受ける予定のある人、あるいは面接をおこなう予定のある人に、おすすめしたい書籍をご紹介したいと思います。

 

面接 おすすめ 書籍

 

面接での返答は難しい…

ビジネスマンならば、誰しもが「面接」を受けた経験があるはずです。就職の際はもちろんのこと、最近では、昇進・昇格試験の際に面接があったり、定められた時期ごとにおこなわれる人事評価の際にも上司との面接があったりする会社も多いのではないでしょうか。

私も何度となく面接を受けていますが、正直なところ、自分の考えを上手く伝えきれたことがありません。無難な返答に終始するだけでは、自分なりの奮闘ぶりや工夫、アイデア、悩み事が伝わりにくくなります。その反対に、自分をアピールしすぎれば自慢話に聞こえてしまいます。

 

面接をおこなう側も簡単ではない…

その一方で、面接を受けるだけではなく、面接をおこなう側に立つ場合もあると思われます。例えば、人事評価の結果を部下にフィードバックする際の面接などが該当します。

面接をおこなったことのある人ならば理解できると思いますが、「想像以上の難しい業務」というのが私の感想です。面接を受ける人が何に興味・関心があり、何に困っているのか?どのような思いで働いているのか?などを十分に引き出すことは何度経験しても困難な仕事です。

 

『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』の感想

以上のように、面接については受ける側でもおこなう側でも私のように悩んでいる人は多いと思われます。実際、面接対策用のマニュアルや想定問答集などが巷には溢れています。試しに幾つか実行してみると、正直なところ、このようなテクニックに助けられることもあります。しかし、その一方で何となく物足りなさを感じる時もあります。

こうした中、面接の参考になれば…と先日、手にしたのが、大鐘 良一、小原 健右(2010)『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 』(光文社新書)です。面接に臨む際の心構えや振る舞いだけでなく、そもそも人と一緒に働くということはどういうことなのか?という根本的なことまで考えさせる良書でした。

この書籍は宇宙飛行士がどのように選抜されるのかを密着取材したドキュメンタリーです。

ストレスの高い環境の中で、様々な課題や作業、面接に対応しなればならず、その過程を通じて、宇宙飛行士としての適性が評価されていきます。宇宙飛行士という別世界の「採用試験」あるいは「人事評価」ですが、意外にビジネスの世界に参考となる点が多かったです。

例えば、採用基準についてです。

 

ストレス環境下であっても、チームワークを発揮できるかどうか。団体行動における、候補者それぞれの力を見たかったのだ。

JAXAはこれを、“リーダーシップ=leadership”と“フォロワーシップ=followership”と呼び、今回の試験で最も重要な採用基準としていた。

“リーダーシップ”は指導力。そして“ フォロワーシップ”は、リーダーに従い、支援する力を指す。

(中略)

つまりある時はリーダーだけれども、ある時はフォロワーにならなければならない。役割分担をしっかり認識して、臨機応変に行動できることが、宇宙飛行士にとって大切な資質なのです

 

大鐘 良一、小原 健右(2010)『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社新書

また、面接についても興味深い記述があります。

 

NASAは、そうしたある意味、″ 貴重な”経験を通して、面接こそが採用において最も重要であると結論づけたようである。候補者がリラックスして話ができる環境をつくり、若いころからの″生き様”を詳しく聞くことで、果たしてその人間が信用に値するのか、また本当に心の底から宇宙飛行士になりたいと思っているのか、そしてもし宇宙飛行士になったとき、現実に決して幻滅することなく任務をこなすことができるのかを、見極めようとしているのである。

 

大鐘 良一、小原 健右著(2010)『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社新書

その一方で、面接をおこなう側への示唆も多かったです。

 

私たちが候補者を面接するのと同時に、候補者が私たちを面接して、宇宙飛行士の仕事とは何なのか、リスクは何か、どんな見返りがあるのか、そして宇宙飛行士としての人生とはどのようなものなのか、それらを理解した上で、それでもやりたい仕事なのかを考えてもらうことが重要なのです

 

大鐘 良一、小原 健右著(2010)『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社新書

 

面接というものは、つまるところ「この人間と一緒に働きたいかどうか」を見ているものだからである。

(中略)

いかなるときも仲間と助け合い、確実に物事に対処できるかどうか。一方、普段は友達として付き合えて、良い関係を保てるかどうかということが問われているのです。

 

大鐘 良一、小原 健右著(2010)『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社新書

 

まとめ

ストレスに高い環境で、長期間にわたって、助け合いながら課題をこなすことが宇宙では求められているため、宇宙飛行士には「チーム」の一員として相応しい能力、人格が求められているのだと感じました。

その一方で、最近の自分自身を振り返ってみると、自分をどう上手くアピールしていくのか?あるいは一人ひとりの職員の成果をどう評価するのか?という「個人」に目が行きがちだったような気がします。

今回の書籍を読み、自分の所属するチームに対して、自分がどう貢献してきて、今後、どう支援していこうと考えているのか、あるいはチームの中で、一人ひとりの職員がどう力を発揮し、どのように貢献してきたのか、といった具合に、これまで以上に「チーム」を意識していきたいと思いました。