インバウンドの目標達成に向けて

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

さて、日本を訪れる外国人の旅行者が増えています。新潟市内でも、多くの旅行者を見かけるようになりました。

こうした中、外国人旅行者を増やすための提言をおこなっている書籍、デービッド・アトキンソン『新・観光立国論』(東洋経済新報社)が話題となっています。

今回、私どもの機関誌「センター月報8月号」では、この話題の書籍を紹介しながら、外国人旅行者の誘致をする際の問題点と解決方法を提案しています。執筆は毎月、連載をお願いしている井門観光研究所の井門隆夫先生です。

 

井門隆夫先生・地域観光事業の進め方

 

訪日外国人旅行を増やす際の障壁

井門先生は、訪日外国人旅行者を増やす際の障壁の一つとして、宿泊施設の余力(収容能力)を挙げられています。

 

平成26(2014)年に、訪日外国人旅行者数は過去最高の1,341万人を達成した。目標とする3,000万人まであと1,700万人を増やそうというのが政府の計画である。

一方で、日本の観光ポテンシャルからすれば、これをあと5,800万人は増やせる、とういうのがアトキンソン氏の論だが、残念ながら、私が試算してみたところ、外国人が宿泊できる余力が3,600万人分しかない。

そのため、そうなればいいなと思いつつ、8,200万人という目標の実現は難しいというのが現状である。すなわち、日本は宿泊キャパシティがないために、フランスやスペインのような観光大国にはなり得ないのだ。

(中略)

東京や京都の数値をみると、すでに稼働率80%を超えているため、これ以上の宿泊余力は少ないことがわかる

(中略)

今後インバウンド(訪日外国人旅行者の受入れ)の目標達成のためには、地方の宿泊余力を活用する以外はない。

そのための様々なバリアを取り払っていく必要がある。「公共無線LAN(Wi-Fi)を充実して欲しい」「温泉に裸で入らなくてもよいような配慮もして欲しい」「食事をする場所での喫煙をやめて欲しい」など、日本人が気付きにくいバリアへの配慮も一層求められるようになるだろう。

井門隆夫(2015)「地域観光事業のススメ方第65回」『センター月報』2015年8月号

 

読み終えて…新潟県がまとめた「外国人宿泊数調査結果」

先週、新潟県観光振興課がまとめた「平成26年度本県外国人宿泊数調査結果」が発表されました。

それによると、平成26年度の新潟県の外国人宿泊数は137,206泊となり、前年度比46.3%の増加となっています。特に、台湾やオーストラリアからの旅行者が冬場に多く訪れたようです。

このように、東京や京都だけではなく、新潟をはじめとした様々な都市に、外国人旅行者がもっと多く訪れるようにならないと、日本が観光大国の仲間入りする日はやってこないようですね。